TOP スペシャルコラムドラッカー再論 取締役会メンバーは、どのように選ぶべきなのか。

2019/07/29

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第181回

取締役会メンバーは、どのように選ぶべきなのか。

  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

取締役会が成果をあげるために最初に行うべきことが、トップマネジメントの役割と取締役会自身の役割を考え抜くことだとドラッカーは言う。

 

「そのうえで、取締役会としての目標と作業計画を策定することである。明確な目標のもとに仕事をしないかぎり、取締役会もまた成果をあげることはできない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)

 

取締役会の役割は2つ、経営会議としての取締役会と、利害関係者との接触をその役割とする対社会関係会議としての取締役会だ。ドラッカーは、こう取締役会の機能を定義している。

 

「取締役会がこの二つの機関の役割を同時に果たしてはならないという法的な制約はない。もちろんその場合、活動の仕方は異なる。トップマネジメントは、関係者会議において、その利害関係者が望むこと、知るべきこと、理解すべきことについて検討してもらわなければならない。経営会議においては、トップマネジメント自身が検討する必要のあるもの、トップマネジメント自身が徹底的に考え、決定し、理解すべきことについて検討してもらわなければならない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

更に、取締役会のメンバーを考えることも重要であるとドラッカーは指摘する。
ここでドラッカーは、取締役会メンバーと「すべきではない」人たちについて述べている。

 

「例えば、退職したマネジメントの人間である。マネジメントのOBを、取締役会から排除するならば、重要な知識と経験が失われるとの考えもある。しかしOBの知識と経験の使い方としては、日本流の顧問が正しい。同じように、取引先、顧問弁護士、コンサルタントなど、企業との間に財サービスの取引関係にある者も、取締役会のメンバーとすべきではない。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

なるほど。ドラッカーがいまの日本で主要企業の取締役会構成を見れば、某・売れっ子コンサルタント系社外取の面々が、気鋭の論客として得意満面にガバナンス論などを語っている姿には苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるということにもなるだろうか。

 

それでは、誰を取締役にすべきなのか?

 

まず第一に、求められるのは能力である。(当然だ。)

 

「取締役会のメンバーは、企業、政府、その他の機関において、すでにトップマネジメントとしての能力を実証した者でなければならない。理想的には、取締役会のメンバーには、50代の半ばで現業の仕事から離れ、進んで助言者、先導役、良識となる意思を持つ人物が望ましい。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)

 

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。