2020/03/13
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異能の経営者 ~ I know. ~
第26回
【横山裕一氏】ゲームで人生が変わった。僕は間違いなくそんな人間の一人(Vol.1)
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- 横山 裕一氏 株式会社アールフォース・エンターテインメント 代表取締役社長/ゲーム職人
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iモードが登場した当時から、モバイルゲームの開発にとりくみ続けてきた株式会社アールフォース・エンターテインメント。
社の理念「お客様に尊敬され、お客様の人生を変えるエンターテインメントを創造する」は、社長の横山裕一氏が辿ってきた道のりと深い関係があるという。小中学生時代からすでに異能ぶりを発揮していたという横山氏、まずは、その少年期を振り返るところからはじめてみよう――
■厳格な父にゲームを禁止されて
――なんでも小さい頃からゲームが相当好きだったとか。コンピュータゲームが一般的に世の中に出回り始めたのは、僕が幼稚園に通っていた頃からなのですが、父が教員だったせいもあり、とにかく厳格で「ゲームなんてやったら頭が悪くなる」とまったく触らせてもらえない。でも、面白そうですからなんとか触ってみたいわけです。それでまず考えたのは、バス代をごまかすこと。今はもう時効だから言えますが、当時一人で公共のバスに乗って幼稚園に通っていましてね、運賃を支払う際に全部10円で一度にジャーッとやるわけです。こうすると、1枚くらい少なくてもわからないでしょう?
――捕まります、捕まります(笑)
それで、そのごまかした10円を毎日コツコツ貯めて、駄菓子屋さんの前にあるゲーム機で遊ぶというのが当時、至福の時間でした。
今考えると、なんて酷いことをしていたのだ、という感じです。完全に犯罪です、あー恐ろしい子だ。
■小学生にして複数社の起業(?)経験を持つ
それから、小学2年生の頃に「電子工作の本」に出会うのですが、見事ハマりまして、サンプルの設計図を元に色々アレンジして、簡単なゲーム機を作りました。電子工作と言っても、ICを使うわけではなく、使う部品はスイッチと電池と電球とモーター位なもので、例えば、ついたてを挟んで、両側にボタンが5つずつついている機械をつかって、僕が「あなたの好きな果物はなんですか? 1番いちご、2番ぶどう、3番…」とか問題を出すんです、(向かい合った相手が)同時にボタンを押すと、同じ答えを選んだらランプが光って「あ、二人ともいちごでした。相性がいいですね」みたいなフィーリングカップルマシンとか。あとは、針金を曲げて、その針金にあたらないように、輪っかの針金をスタートからゴールに導く電流イライラ棒みたいなものとか、本当に簡単な装置なんですが、クラスの皆は楽しんで遊んでくれました。
――ありましたね、電流イライラ棒!なつかしい。
当時、子供の間では牛乳のキャップを通貨代わりにしていたのですが、メンコにしたり、吐いた息で裏返ったキャップを奪う遊びなどをしていたんですね。
みんな、どうにかしてキャップを集めたいわけ。ところが僕はどうもメンコとかが得意じゃなくて、それで学校の休み時間に電子工作のゲームセンターを営業していました。1回遊んだらキャップ1枚とか。電流イライラ棒をクリアしたらキャップを2枚返すとか。
――なんと、お店を開いて商売を。
すると、隣のクラスからもお客が来て、商売繁盛。牛乳キャップ長者になりました。ところが、授業中にゲーム機のメンテナンスをしているのが先生にバレて、営業停止になってしまった。公権力には逆らえなかったですね…(笑)。