2018/01/15
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第1回
なぜ「魂の入った志や目標設定」が必要なのか?(1/5)
- リーダーシップ
- スペシャル対談
- グロービス・コーポレート・エデュケーション マネジング・ディレクター 知命社中 代表 鎌田英治
- 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸
「経営者を語る。」――今回は鎌田英治氏(株式会社 グロービス マネジング・ディレクター/知命社中 代表)をゲストにお迎えします。
今回のテーマは、「難しい時代にあって、魂の入った志と目標を考え抜くためのエネルギーをどう探していくか――」。
『知命社中』という異業種の経営幹部同士が一堂に会し、6ヵ月にわたって濃密な思考と対話を繰り返すコミュニティを一昨年からスタートさせた鎌田さんと、弊社代表の井上和幸が、これからの経営者、リーダーに必要なものを語り合いました。全5回でお届けします。
井上 まずは読者の方のために「知命社中」について、私から簡単にご紹介しますね。「知命社中」とは、異業種の役員同士が切磋琢磨し、リーダーシップを磨き合う濃密なコミュティ(社中)であり、己の使命を自得(知命)する場。参加者は「自らの在り方」と、「成し遂げたい経営アジェンダを設定していく」――といった場であると理解しています。今年は、その第二期を開催中ということですね。
鎌田 とても嬉しいことに、第一期のクライアントさんのほとんどが第二期も継続して派遣頂いています。一部の日程が社内行事と重なってしまうクライアントさんがいらっしゃいましたが「それなら第三期に参加します」と言ってくださいました。これらは、皆さんが一定の手応えを感じていただいている証左ではないかと思っています。
井上 同じ会社から複数の役員の方々が参加されているケースもあると思いますが、そういった場合は、ディスカッション・グループを別にするなどの配慮もしているのですか。
鎌田 異業種から相互に学び合うことも大事な目的なので、そういう配慮はしています。ただ、第二期になってからは、僕の中では、そうしたことに余り気を遣わなくていい感覚が生まれてきました。7ヵ月間で7モジュールを実施しますが(最初が3日間、2回目以降が2日間の計15日間)、その間、何度もグループをシャッフルして対話を重ねていくと、みんながどんどん率直で正直になっていく。ともに高めあう同志、仲間のような感じになっていくんですよ。なので、最初は同じ会社の方を同じグループにしないように組み合わせていますが、場における議論の流儀が揃ってくると、同じ会社同士の人同士でも“なぁなぁ”にならず率直な議論ができ対話が深まるようになっていきます。凄く嬉しいことですよね。
井上 それ位やると、社中の参加者同士の関係は相当深まるでしょうね。大人になってからできた盟友のような感覚とも言えそうですね。
鎌田 第一期の方々は、各地からの参加者同士が出張の度に連絡を取り合って良く合っていますし、第二期でも、既に通常のメーリングリストのコミュニティのほかに、LINEのコミュニティが自然に生まれて、「今日こんな記事がありましたよ」みたいな気軽なやり取りがされています。
井上 知命社中への参加に関しては、やはり参加企業のトップが「うちの役員を参加させたい」となって派遣されてくるのですか。
鎌田 そのケースが多いです。参加企業は、いわゆる大企業、オーナー系の名門企業、それと独立系ベンチャー企業というタイプ分けができます。ベンチャー企業やオーナー系企業の場合、社長自らが参加されるケースも多いですが、大企業、名門企業では、社長が誰を派遣させるかを決めているケースが多いですね。
井上 3つのタイプの企業群が混成されたコミュニティと言うのは面白そうですね。
鎌田 そうなんです。この企業構成(多様性)は、グロービスらしさが出ていると思いますね。そういう面で、知命社中というのは、それぞれの方にとって、これまではあまり話す機会がなかった方々との出会いであり、「異なるもの」との深いかかわりができていると思います。