TOP スペシャルコラムドラッカー再論 「私は」ではなく、「われわれは」で考え、行動できている組織か?

2016/07/04

1/1ページ

スペシャルコラムドラッカー再論

第33回

「私は」ではなく、「われわれは」で考え、行動できている組織か?

  • エグゼクティブ
  • マネジメント
さて、VOL.28~VOL.32までに渡り、「成果をあげる八つの習慣」について、その7つをみてきた。

最後のひとつは、「(8)「私は」でなく「われわれは」を考える」である。

「最終責任は(トップ)自らにあることを知らなければならない。最終責任とは、誰とも分担できず、誰にも委譲できないものである。トップが権威をもちうるのは、自らのニーズと機会ではなく、組織のニーズと機会を考えるからである」(『経営者の条件』1966年)

組織でことを成す、そのために、全構成員が同じ方向を見る。部門対部門、トップ対現場。よくある対立構造は、顧客に対して成果を上げるためには、必ず乗り越えなければならない課題だ。
その解決策としてのマインドセットが、「「私は」でなく「われわれは」を考える」ことなのだ。

また、主体性の発揮のためにも、「私は」ではなく「われわれ」は非常に重要な意識改革である。
新入社員が、自社のことを「わが社は」「うちの会社は」と、いかに早期に自然に言えるようにするか。「身内化」こそ、主体的社員作りの第一歩となる。
(リクルートでは、新卒入社予定者には内定者時代からアルバイトをさせるなどして、入社前に「うちの会社は」意識を醸成することに務めていた。4/1の時点では、概ねの入社者は既に自社を「うちの会社はさ」と自然と思っており、言っていた。これが新人時代からものすごいパワーを発揮し、自社のビジネスに邁進する新人を作っていたのだ。)

ここまで「成果をあげる八つの習慣」について、総ざらいしてみた。

「成果をあげるには、性格、強み、弱み、価値観、信条はいかようであってもよい。なされるべきことをなすだけでよい。確かに生まれつき成果をあげるという人たちもいる。しかしわれわれは、生まれつきの才能に頼るわけにはいかない。成果をあげることは習慣である。したがって、他の習慣と同じように身につけることのできるものである。そして身につけなければならないものである」(『経営者の条件』)

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

    この登場者の記事一覧をみる
あなたにおすすめ

 他の記事を読む

スペシャルコラムドラッカー再論