TOP これからのリーダーシップ、プロ経営者論 リーダーシップ4.0(自己実現)では「すべての人がリーダーに」。(5/5)

2017/09/12

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第5回

リーダーシップ4.0(自己実現)では「すべての人がリーダーに」。(5/5)

  • リーダーシップ
  • 合同会社THS経営組織研究所 代表社員/慶応義塾大学大学院理工学研究科 特任教授/立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科 客員教授 小杉俊哉
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

井上 「リーダーシップ3.0」は、《組織全体に働きかけ、ミッションやビジョンを共有し、コミュニティ意識を涵養する。と同時に個人個人とも向き合い、オープンにコミュニケーションを取り、働きかけて、組織や個人の主体性、自律性を引き出す》スタイルと定義付けました。その先にある「リーダーシップ4.0」は、自己実現、と。

 

小杉 自己実現という、かなり精神性の話になってきます。フィリップ・コトラーは「マーケティング4.0(自己実現)」と言っていますし、ピーター・センゲも、「ラーニング・オーガナイゼ―ション(学習する組織)」を極めていく中で、『持続可能な未来へ』の中では、古から学び、過去と未来の架け橋となり、両方を受け止めながらリーダーシップを発揮すること、とかなり精神性の話になって来ている。結局、今の時代とは何か? ということですよね。
私のリーダーシップのバージョンで言うと、3.0までは経営者、管理者側の話なんです。でも4.0というのは、全ての人がリーダーにならなければならない。少なくとも自分自身に対してリーダーシップを発揮しないと、「今の環境の中で、ただ言われたことだけをやるんですか?」という話になります。つまり、自分のやりたいことに対して、自分が能動的に関わっていく――。WHAT(課題)を設定して、それに向かってやっていくわけですが、そもそも組織としても言われたことしかやらない集団というのはこれからは機能しなくなります。一人ひとりがリーダーシップを発揮することを、一人ひとりが意識しないといけない時代になっています。そういう意味で4.0と捉えているんです。

井上 ドラッカーも、ある意味、全員が自分のリーダーであると言っていますよね。

 

小杉 そうです、言っていることは別に新しいことではないのですが、組織の中でそういう認識は今まではなかったと思うんです。でも個人が主導するということをしない限りはAI(ロボット)に仕事を奪われてしまいますよね。自分でWHATを設定して解決するようなこと――HOW=解く方はAI(ロボット)に負けますが――、そもそも何をやるかということは人間がやるべきことです。あるいは、人と協業する、人と一緒に何かをやるということは人間にしかできないことです。そこに時間を使っていかない人、言われたことだけをやっている人は、この後、翻弄されるでしょうね。

 

井上 今のお話で言うと、この場(会社、組織)にいる人たちが、より色濃く自己実現するために主体性を発揮するということですよね。そのときの組織とか働き方とか、雇用のされ方みたいなものは、小杉さんの頭の中ではどういうイメージですか?

 

小杉 そうですね、必ずしも組織形態がフラット...

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プロフィール

  • 小杉俊哉

    合同会社THS経営組織研究所 代表社員/慶応義塾大学大学院理工学研究科 特任教授/立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科 客員教授

    早稲田大学卒業、NECを経てマサチューセッツ工科大学に私費留学、経営大学院修了。帰国後、マッキンゼー、ユニデンおよびアップルの人事責任者を歴任し、独立。 慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授などを経て、現職。他にエスペック株式会社、ふくおかフィナンシャルグループ・福岡銀行など数社の社外取締役を務める。 専門は、人事・組織、キャリア・リーダーシップ開発。組織が活性化し、個人が元気によりよく生きるために、組織と個人の両面から支援している。

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    早稲田大学卒業後、リクルート入社。コンサルティング会社取締役、リクルートエグゼクティブエージェントマネージングディレクター等を歴任。2010年経営者JPを設立し、現職。