2017/05/23
1/1ページ
第1回
成功している経営者というのは、実はEQに問題のある人が多い?!(1/5)
- 経営
- ビジネススキル
- EQ Executive Master/株式会社 EQ 取締役 会長 髙山直
- 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸
井上 EQ的な観点から見て、最近、髙山さんがお感じになっている経営者の方々の傾向や特徴というものはありますか?
髙山 成功している経営者には、良い意味で変わった方が多いですね。
井上 最近の傾向が、ですか?
髙山 「EQが高い人」という定義自体が、みなさんのイメージされるものとちょっと違うんじゃないかな、と思うんですよ。成功している経営者というのは、実はEQに問題のある人が多いのですよ。
井上 それは興味深いですね。
髙山 なにをもって「EQの高い人」というかにもよりますね。
井上 髙山さんの著書(『EQ「感じる力」の磨き方』東洋経済新報社)によれば、EQ理論について、「感情が私たちの行動に重大な影響を与える。感情を上手く管理し、利用することは知能である」としていますね。そして、髙山さんご自身は、「EQとは人の気持ちをわかる能力だ」と定義されています。ごくごく一般的なイメージでいうと、「EQが高い人」というと、「人格者である」とか「いい人だ」とか「懐が深い」といったことを思い浮かべる人が多いかもしれません。
髙山 経営者は総じて「いい人」ではなく、「凄い人」がなられています。
そもそも企業経営は「いい人」ではやっていけないですね。時には、厳しさや怖さなどを使い分ける必要もあります。僕がお会いする経営者の中には、EQよりもパーソナリティ(個性)とか、アクの強さといった「EQ以外の人間性」の部分が際立っていると感じる人が多くいらっしゃいます。変わり者といわれるくらい、こだわりが強く、自分の想いの強さを貫き通し、人の意見にも耳を貸さず突っ走る頑固者。一度キレたらキレっぱなしの方もいて、それは意識的にキレているのではなく本当にキレている人もいらっしゃいます。こういう方が、交渉で勝ったり、業績を上げる場面もたくさん見てきました。どこから見ても「いい人」じゃないですね。でも、ある意味「凄い人」と思える人たちです。
井上 「人がいい」という経営者は、みんなの話をよく聞くかもしれないけれど、ともすると、風見鶏みたいになってしまったり、明確な方針が徹底できないということにもなりかねませんね。
髙山 「いい人」とか「優しい人」だけの人は、組織の上に上がっていかないですね。課長になれる人、部長になれる人、役員になれる人、社長になる人、という区分けをしたときに、「ビジネス上でいうところのいい人」は、なかなか上にいけない、中間管理職として苦労して終わる人が結構多いと思います。
井上 ビジネスマンの...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。