2023/10/10
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イマ、ココ、注目社長!
第377回
データ解析で日本企業のポテンシャルを解放。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 横山 直人氏 株式会社フライウィール 代表取締役CEO
NTTドコモ、Google Japan、Facebook Japanで働いてきた横山直人さんが2018年に起業した株式会社フライウィール。同社にはGAFA出身のエンジニアが集い、創業から5年にもかかわらず、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社や日本生活協同組合連合会、アスクル株式会社など多彩な企業の経営改善を実現しています。
後編では横山さんに具体的な事業の流れや改善の手法、さらに今年3月、KDDIグループと資本業務提携を結び、連結子会社になった理由などを伺いました。
(聞き手/川内 イオ)
課題の抽出から成果を出すまで伴走
――御社のミッションは「データを人々のエネルギーにする」です。ミッションを実現するために、どのような事業を展開しているのでしょうか?
横山 大きく分けてふたつのパターンがあります。ひとつは、自分たちが解決すべき課題とゴールが明確で、データを分析してその手伝いをしてほしいという企業、もうひとつは「とにかく売り上げを伸ばしたいけど、データを使ってなにかできないか」というざっくりとした相談から始まる企業で、前者は1割程度です。
9割を占める後者の場合は、所有しているデータを確認して仮説を立てるところからどんどんPDCAをまわしていきます。戦略の策定、分析の後、各社ごとに我々のプロダクトを導入するという作業があります。
――それぞれの企業の課題を抽出して解決策を提案し、目に見える結果を出すまでには長い時間がかかりそうです。
横山 そうですね。ただ小売りや流通、製造などのジャンルごとに共通している課題も多いんですよ。そこを分類してアプローチするために、弊社はデータ活用プラットフォームConata(コナタ)を開発しました。各業界に合わせたデータ分析が可能なこのシステムを使うことで、ひとつのジャンルで仕事をするとほかの企業から依頼を受けた時にスピードアップします。
例えば、小売業界では欠品率、実売率、過剰在庫率などの共通指標があります。これまでのデータを取り込み、売り上げと利益の目標を定めると、「目標達成のためには欠品率を何%まで下げる」といった数字が出て、どの商品をどれぐらい在庫しておく必要があるのか、一瞬でシミュレーション結果が出ます。
アスクルの事業を改善
――それはとても便利ですね。具体的な事例を教えてください。
横山 アスクルでは、2つのアプローチをしました。物流領域は経営へのインパクトが非常に大きいのですが、それだけに気軽に手を付けられない領域でもあ...
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