2023/10/06
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イマ、ココ、注目社長!
第376回
データ解析で日本企業のポテンシャルを解放。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 横山 直人氏 株式会社フライウィール 代表取締役CEO
NTTドコモ、Google Japan、Facebook Japanで働いてきた横山直人さんが2018年に起業した株式会社フライウィール。創業から5年にもかかわらず、顧客にはTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社や日本生活協同組合連合会、など多彩な企業が名を連ねています。GAFA出身のエンジニアが集い、日本企業が抱えるデータを分析し、次々と経営改善につなげている株式会社フライウィール。横山さんはなぜ輝かしいキャリアを手放して起業したのでしょうか? なぜ優秀なエンジニアが彼のもとに集うのでしょうか?
(聞き手/川内 イオ)
iPhone登場で「やられたな」
――まずは起業に至った経緯を伺いたいのですが、インターネットの可能性に目覚めたのは大学生の頃だとか?
横山 はい。バックパッカーをしていた学生時代に、シンガポールでアメリカ人に出会いました。その時、彼がこれから世のなかを劇的に変えることとして、遺伝子、宇宙、情報、すなわちインターネットだと言っていたんです。当時はまだインターネット黎明期でしたが、ミュージシャンが配信を始めたりして面白いなと思っていたこともあって、3つのなかでもインターネットに興味を持ちました。それで、文系の人間でもアメリカでインターネットを学べる大学院を探して、ニューヨーク大学大学院に進学しました。
――アメリカでどんな気付きを得ましたか?
横山 「PCがポケットに入るようになる」という疑いのない確信です。この分野は単純に面白そうだなと感じていました。当時は世界的に見てもNTTドコモのiモードが頭ひとつ抜けていたので、日本に帰って世界展開に貢献したいと思い、2004年にNTTドコモに入社しました。
――その5年後、2009年にはGoogle Japanに転職しています。iモードに限界を感じたのでしょうか?
横山 2007年にAppleが「iPhone 3G」を発売しました。iモードの世界展開に苦しんでいた当時、「やられたな」と思いましたよね。これを機に、インターネットを軸にどんどん新しいビジネスをつくりたいと思うようになりました。AppleではなくGoogleに転職したのは、パートナーとオープンに付き合うというGoogleのインターネット的な思想に共感していたからです。CEO(当時)のエリック・シュミットが「クラウド」という概念を提唱し始めた頃で、面白そうだなと思ったのも理由のひとつです。
GoogleとFacebookで学んだこと
――iPhoneがきっかけだったんですね。Googleではどんな事...
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