2023/08/16
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私が経営者になった日
第120回
【LMIグループ株式会社 永井 俊輔氏】無形資産の価値を高め、強い日本を取り戻す。(Vol.3)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- 永井 俊輔氏 LMIグループ株式会社 代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
創業以来36年間商空間事業・生活空間事業を主事業とし、各領域のプロフェッショナルとして様々な課題を抱えるリテール企業向けに深い知見を活かした総合的ソリューションを展開。近年は、「顧客データ収集」「データ活用」の視点で「商空間」と「生活空間」におけるオフライン店舗の顧客データ(「フィジカルワールドデータ」)の活用に取り組んでいるLMIグループ株式会社 代表取締役社長 永井俊輔氏に3回にわたってお話を伺いました。
学習と成長の旅路-ビジネス少年の道程-。(Vol.1)
教科書通りに、本気で取り組み、成功への道筋をつけた。(Vol.2)
無形資産の価値を高め、強い日本を取り戻す。(Vol.3)
レガシー・マーケット・イノベーション。
現副社長でもある望田氏と中長期計画を立て始めたのは2014年。その時に考えていたことや実行したかったことと、いま、自身の考えや在り方は、どんなふうに変わっているのだろうか。
「10年ぐらい前ですから、当時から戦略は当然変わっていきました。それは当たり前のことです。ただ、ひとつだけ変わらなかったのは、レガシー・マーケット・イノベーション(LMI)という、現在の社名になっているこの単語です。わたしたちが何を目指し、世界をどう変えていくかという高い視座での議論を、彼と一緒に何カ月もした末に、夜遅くに思い付いたのが、このLMIという単語です。」
具体的な戦略や戦術の部分は、テクノロジーやマーケットなど様々な環境の変化とともに変わるが、経営の核となるコンセプトは変わらず、2014年の時点で、自分たちが徹底的に議論し考えついたことだった。
「根幹は、その時考えたことが全てですね。当時、クレストという会社に入社した時に、正直わたしはネガティブな気持ちが大きかったです。中学生の時からあまりいい印象をもっていなかった看板工事屋に、世の中に大きなイノベーションを起こそうとバイアウト投資を行っていた自分がいきなりなったわけです。入社当時は毎日のように、夜間、工事の警備員やガードマンの仕事もあり、身体的にも、大変でした。加えて、当時いた社員たちに、なぜこの仕事をやっているのかと尋ねると、“ここが受かったから”という消去法だったんです。それだけでは楽しくないだろうという想いがあり、この会社を変えていきたいと思いました。
さらに、当時、べンチャー企業が輝いていた時代で、ネットを見れば、ベンチャー企業が資金調達をしたというニュースがあふれていました。その中で、レガシーな産業に対し、“この業界の人たちの考え方は古くて既成概念しかない...
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