2023/08/08
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私が経営者になった日
第119回
【LMIグループ株式会社 永井 俊輔氏】教科書通りに、本気で取り組み、成功への道筋をつけた。(Vol.2)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- 永井 俊輔氏 LMIグループ株式会社 代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
創業以来36年間商空間事業・生活空間事業を主事業とし、各領域のプロフェッショナルとして様々な課題を抱えるリテール企業向けに深い知見を活かした総合的ソリューションを展開。近年は、「顧客データ収集」「データ活用」の視点で「商空間」と「生活空間」におけるオフライン店舗の顧客データ(「フィジカルワールドデータ」)の活用に取り組んでいるLMIグループ株式会社 代表取締役社長 永井俊輔氏に3回にわたってお話を伺いました。
学習と成長の旅路-ビジネス少年の道程-。(Vol.1)
教科書通りに、本気で取り組み、成功への道筋をつけた。(Vol.2)
無形資産の価値を高め、強い日本を取り戻す。(Vol.3)
圧倒的に儲かる会社に変えたい。
短い在籍期間ではあったが、永井氏がジャフコで学んだことは大きかった。
「この世界の広さを感じ、あらゆる会社、産業、市場に対しての大局的なものの見方を得ることができた期間でした。広い視点を得た状態で、自分の会社の現状や行く末を見る中小企業の世界にいきなり移ったわけです。会社規模が小さいほうが、経営者が足元の数字から大きなビジョンまで幅広く見てゆく必要がある。売上高で言えば、今月どうするか、来月どうするかといった短期的な視点に命をかけなければならないときもある。
それまでは、今後見込まれる産業の改革や法整備を見据えて、市場の成長性を予測し、買収する企業や買収した企業の改革方法を考えてきたところから、買収や投資をしてきたわけですから、視座が違うと感じました。だからこそ、現実に目の前にあることを見ながら、どういうふうに大局的に先を見通していくか、そのためにもまずは圧倒的に、そして継続的に儲かり続ける会社に変える必要があると考えました。」
入社にあたっての父からのオーダーも「売上の増加」というシンプルなものだった。
「当時、既存顧客である建設会社や内装工事会社には、自社工場を使った看板工事を売ることを、最初のステップにしていました。そこから2~3年営業経験を積むと、営業のアプローチ方法は現状通りテレアポのまま、ターゲットを変えていこうと、戦略の転換をしました。当時のまま看板工事のみを売る方法だと、新規出店がなければ新しい看板の工事はなく、仕事が発生するタイミングが不安定なんですよね。
でも、ショーウインドウディスプレイや店舗内の広告物は既存店舗でも定期的に変更されるので、安定的な需要が見込めると考えました。一方で看板工事より単価は低いので、量で勝負。取引形態は、内装工事会社の下請けではなく...
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