2023/05/26
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イマ、ココ、注目社長!
第346回
働くひとが“真の健康”を実感できる環境作りを テクノロジーと専門ノウハウでサポートする【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 山田 洋太氏 株式会社iCARE 代表取締役CEO/Founder/産業医/労働衛生コンサルタント
現役医師から、株式会社iCARE創業へという道をたどった山田洋太さん。
SDGs、ESGをはじめ、健康経営、人的資本経営、サスティナブル経営などなど、コロナ禍を経て可視化されてきた、現代のさまざまな経営課題を解決するうえでも欠かせないテーマである“働くひとの健康”が、長年抱いてきた山田さん自身の課題感とマッチし、事業の成長を後押ししました。
後編では、iCARE社の今後の展望、そしてわずか4年で従業員数5倍規模へと拡大した組織のトップとして、何より大切にしているというパーパス・クレド・バリューについての熱いお話を中心にうかがいました。
(聞き手/井上 和幸)
“テキストの力”を活かしたチャット健康診断サービスで起死回生
――前編では、最初のプロダクト「Catchball」が相当な不振だったというお話まで伺いました。そこからいかに次の展開へと進まれたのかといったところから、後編はうかがっていきたいと思います。
山田 当時、ビジネススクール時代の同期で大企業に勤めている友人に「もうやめようと思う」と相談したんです。精神的にも相当参っていてあまり記憶がないのですが、メッセージの履歴を見ると、なぜかその彼に「iCAREの仕事を一緒にやらないか?」と誘っているんです(笑)。おそらく「こんな状況のiCAREに、大企業に勤めている彼が来てくれるはずない。彼が断ってくれたら安心してiCAREをたためる」といった気持ちがあったのなと推測しますが、なんとその彼が「来る」と言ってくれたんです(笑)。
――そこから、状況が変わりはじめるのですね。
山田 彼が来るなら今のままでは当然ダメなわけですから、まずはサービス自体を大きく変えること。そして資金調達。このふたつのことにまずは取り組みました。
僕が結果的にiCAREをたたまずに続けられた理由に、彼の存在ともうひとつ、いまも支援してくれているVCの存在があります。「働く人の健康というテーマには可能性がある」と言って粘り強く支えてくれました。
――なるほど。それが、このタイミングでの1億円の資金調達につながるわけですね。その後ピボットして立ち上げられたのが、チャットの健康相談サービスだったとか。そのあたりの経緯をうかがえますか?
山田 心療内科で診療をしていたときに、ある女性にLINEを介してカウンセリングしたことがありました。その方は、薬は飲みたくないし、病院に通い続ける時間もなければ費用もないので、何かほかの方法がないかと相談して来ました。それで、実はこれ、本来やってはいけないこと...
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