TOP イマ、ココ、注目社長! 在宅医療をDX。全国約20万人の在宅療養患者を支える訪問看護の業務支援サービス【前編】

2023/05/17

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イマ、ココ、注目社長!

第340回

在宅医療をDX。全国約20万人の在宅療養患者を支える訪問看護の業務支援サービス【前編】

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2022年9月、訪問看護ステーション向け業務支援SaaS「iBow(アイボウ)」等の開発、サービス提供を手掛ける株式会社eWeLL(イーウェル)が東証グロース市場に上場しました。
同社を率いるのは、元プロジェットスキー選手で二度世界2位となった異色の経歴を持つ中野剛人さん。
医療にもITにも縁のなかった中野さんが、なぜ「iBow」を発案したのでしょうか?

前編では、中野さんのユニークな歩みを振り返ります。

(聞き手/川内 イオ

 

プロアスリートとして学んだこと

――中野さんはもともとプロジェットスキーの選手で、引退後にeWeLL起業という異色のキャリアを歩んでいます。そもそも、なぜプロジェットスキーヤーになろうと思ったのでしょうか?

 

中野 私は子どもの頃からスポーツが得意でしたが、自分が何をしたいのか、ずっと迷っていたんですよね。でも23歳の時、やっぱりスポーツの世界でトップに立ってみたいと思って、ジェットスキーを始めました。
それでプロになろうとトレーニングを始めた年に練習中の事故で肝臓破裂、意識不明の重体となり、その時に看護師さんのおかげで一命を取り留めたことがあります。これが私が医療に興味を持ったきっかけでした。

 

命を救ってくれた看護師さんに恩返し

――医師ではなく、看護師に救われたというのはどういうことですか?

 

中野 事故で病院に運び込まれた時、肋骨が折れていなかったので、医者には「帰っていい」と言われたんです。でも、なにかおかしいと思っていたんですよね。そうしたら、看護師さんが「ここで少し安静にしていったら?なにかあったらこれを鳴らして」とナースコールを手に握らせてくれて。それから間もなくして容態が急変して、ナースコールを鳴らして数秒で意識を失いました。あの時、もし帰宅していたら、途中で倒れて間違いなく死んでいました。看護師さんのおかげで助かったんです。
その後も約10カ月の入院で多くの看護師さんにすごくお世話になったし、いかに大変な仕事かを目の当たりにしました。

 

――大変な事故を経験しても日本一になりたかったんですね。どうやったらジェットスキーのプロになれるんですか?

 

中野 日本ジェットスキースポーツ連盟の大会に出場して、3年間、安定してトップ3に入る成績を上げるとプロになることができます。私はその資格を得て2000年からプロになり、2011年に引退しました。

 

――中野さんは狙い通り日本で1位になり、世界ランキングでも2位に入るなど活躍されました。アスリートとして学んだことはなんですか?

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プロフィール

  • 中野 剛人氏

    中野 剛人氏

    株式会社 eWeLL 代表取締役社長

    1973年生まれ。ジェットスキープロライダー(世界ランク2位)、介護ボランティアを経て現職。少子高齢化の進む日本の社会課題を解決するため、在宅医療をDXする株式会社eWeLL(イーウェル)を2012年6月に設立。業務支援システムが皆無だった訪問看護業界をDXで支援しようと、既に世にあるものは活用しまだないものは自分たちの手で創る理念のもと、誰でも簡単に使える業務支援のクラウド型電子カルテ「iBow(アイボウ)」を開発しサービス提供する。これまでアナログで活用が難しかった慢性期医療情報のデジタル化に貢献。ミッションである「ひとを幸せにする」社会の実現に向け、在宅治験支援などの慢性期医療情報を活用した革新的サービスを次々と展開中。

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