2023/05/11
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イマ、ココ、注目社長!
第338回
アスリートをエンジニアに。独自のキャリア支援プラットフォームで急成長。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 小園 翔太氏 株式会社アーシャルデザイン 代表取締役CEO
2014年の創業以来、1万人以上のアスリートのキャリア支援を手掛けてきた株式会社アーシャルデザイン。同社を率いる小園翔太さんは、セカンドキャリアの悩みを抱えるアスリートと企業をマッチングするビジネスで頭角を現します。
ある出来事をきっかけにIPOを目指すことに決めた小園さんは、2020年4月にアスリートをエンジニアにする事業「Athlete Agent-TECH」をスタート。コロナ禍で、周囲の反対を押し切って始めたこの事業は2年間で9,412%という驚異的な成長を遂げました。その舞台裏ではなにが起きていたのでしょうか?
(聞き手/川内 イオ)
IPO路線に切り替えて起きた“離職”
――2014年の創業時に始めた人材紹介事業に加えて、2020年からは「アスリートをエンジニアに」という取り組みを始めていますね。とても意外な組み合わせに感じました。
小園 社会経験がほぼないアスリート人材は、基本的にポテンシャル採用になるので、クライアント(アスリート)に営業以外の職種を紹介しづらかったというもどかしさを創業当時から抱えていました。ですが、アスリートには他にも適職があると思っていました。というより自分自身で可能性を拡げていけるのがアスリートだと信じていました。私自身もプロになれませんでしたが、スポーツによってそういった能力を養ってもらいました。それで創業2年目から登録者全員に適性検査をするなかで、数年間の調査によって分かったデータが、ITエンジニアの上位適性でした。
当時から2030年にはエンジニアが80万人不足すると指摘されていたので、2017年当時に某J2クラブのユニフォームスポンサーについたのを機に、トライアルで希望してくれた選手に知り合いのIT企業に協力してもらい、プログラミングを教えてみたんです。その時に想像以上にフィットする選手がいて、いずれ事業にできるかもと思っていました。
――実際に事業化するまで3年かかったのは、なにか理由があるんですか?
小園 ITという僕が経験した事のない分野だった事と人材ビジネスと比べ、プログラミング教育含めかなり多くの工数、時間、何よりも資金がかかる事業である事がトライアルで実施した事によってわかりました。なので構想はあったのですがペンディングとしていました。ですが、2019年に僕の意識が大きく変わる出来事がありました。当時、弊社の認知度が業界の中では手前みそながら大きくなってきて、ありがたい事に大きなスポーツ団体から「話を聞かせてほしい」と声がかかりました。チャンスだと思い、かなり気合を入れた提案書を持...
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