2023/05/12
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イマ、ココ、注目社長!
第339回
企業のESG経営推進を、テクノロジーの力で後押しする。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 杉本 淳氏 シェルパ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO
2019年9月創業のシェルパ・アンド・カンパニーは、23年3月に2.6億円の資金調達を実施し、今まさに、急な上り坂にさしかかっています。社長の杉本淳氏は、今後の成長に向けてどんな構想を描き、組織の舵を取っていこうと考えているのでしょうか。杉本氏自身が重視している、「力」についても語っていただきました。
(聞き手/井上 和幸)
ESG経営に特化したSaaSとして、日本の先陣を切る
ーーESG領域のプロダクトとしては、御社の「SmartESG」が国内初と伺っています。
杉本 環境に特化したプレーヤーはいますけれども、ESG全般を対象とする点ではわれわれが先んじていると思います。短期的な目標としては、SmartESGをデファクトスタンダードツールにしたい。長期的には、自ら市場を創造したいという強い気持ちがありますので、分析手法の開発やルール構築に貢献し、ESG・サステナビリティ推進の先陣を切っていきたいと考えています。
ーー市場規模については、どう見ておられますか?
杉本 まず直近の課題として、23年4月からすべての上場企業に対して有価証券報告書におけるサステナビリティや人的資本についての開示が義務づけられました。そうなると、上場企業だけでなく、そのサプライチェーンにつながる未上場企業に対しても、ESG情報の開示を求めるような動きが出てくるでしょう。ですから今後、市場規模はより拡大していくと見ています。
ESG・サステナビリティ関連の指標や基準は日々更新されています。例えばIFRS(国際財務報告基準)財団が設立したISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、気候変動などに関する非財務情報の開示ルールをつくろうとしています。こうした情報に、常時キャッチアップしていかなければなりません。同時に、国内は国内で、重視するべきルールや基準を策定する動きがあります。われわれはこうした内容をしっかり整理して、プロダクトに反映していきます。
ーー基準変更への対応のほかに、プロダクトをこんなふうに発展させたい、といった展望はありますか?
杉本 ESGの関連情報は広範にして膨大で、AIによる自然言語処理と相性がいいんです。われわれもAI技術にはかなり力を入れているので、「ESG×AI」なら「SmartESG」と言われるような存在になりたい。AIによって情報開示や分析の質を高め、企業が情報整理にコストを割かれることなく、ESG経営の推進そのものに注力できるように支援したいと考えています。
パーパスに共感した社員が、スピンアウトして起業することも歓迎
ーー杉本さんはシェルパ・アンド...
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