2023/04/26
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Future Update テラス登場経営者のいま~未来をアップデート!~
第4回
まだまだ伸びしろのある移動データ活用ビジネス その潜在的な市場規模は1兆円超え!【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 北川 烈氏 株式会社スマートドライブ 代表取締役
KEIEISHA TERRACEに初登場いただいてから今日まで、目覚ましい成長や変化をとげられているスタートアップやベンチャーの経営者を再びお招きして話を伺う「Future Update」。
移動データが秘めた可能性に着眼し、独自性の高いビジネスを展開する株式会社スマートドライブの代表取締役・北川烈さんの後編は、注目度が高まるAIがもたらすモビリティの未来について、興味深い予測が次々に飛び出します。VUCAといわれる確実性の低い時代に、経営者としての北川さんの視点は何をとらえ、どのような打ち手を打っていくのでしょう。
パワーワードがあふれるモビリティ業界 本質を見抜く冷静さが必要
井上 可能性の拡がりがイメージできるからこそ上場を決断されたというお話を伺いましたが、今日まで事業の構築をされていくなかで、「これは想定外だった」といったことはありましたか?
北川 EVでしょうか。EVというよりカーボンニュートラルなのですが、我々としてはここまで波が来るとは思っていなくて。「移動で発生するCO2の可視化をしてほしい」とか、「上からなかば強制的に『EVに切り替えろ』と言われているがどうしたら?」とか、とはいえEVの航行距離はまだそれほど長くないので「大丈夫だろうか?」とか、想定外に多くのご相談をいただくことになりました。
井上 モビリティの世界では、MaaSやCASEといった言葉も出てきて、テック化、自動化が相当な勢いで進んでいる印象があります。今おっしゃったEV化も含め、この4、5年くらいの動向を北川さんはどのようにとらえていますか?
北川 あくまで私見ですが、ワードが先行している印象が強いです。MaaS、CASEも含めてパワーワードではありますが、本質は伴っているのだろうかと。例えばEVの話に戻りますが、現時点でのEVって、実はそんなにエコじゃない。確かに走行中はCO2を出さないけれど、そのエネルギー源になっている電気はそもそも化石燃料に由来していて、生成の過程で相当量のCO2を出しています。車体の製造過程でも、ガソリン車よりEVの方がCO2を出しているので、再生可能エネルギーに本当に切り替えられなければエコにならないんです。
とはいえ、現時点で再生可能エネルギーは供給に結構ムラがあって、雨が降って暗いときにこそ電気を使いたいのに、太陽光が遮られていると十分に発電できないとか、ありますよね(笑)。そういうことも含めて全体をとらえる視点が必要なのに、そこは抜きにして「2025年にはEVに!」といったスローガンだけが先行している。なぜかというと、話の本質がカーボンニュ...
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