2023/04/11
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私が経営者になった日
第114回
【嘉穂無線ホールディングス株式会社 柳瀬 隆志氏】データ可視化の環境と活用できる人材育成で「データドリブンな経営」を。(Vol.3)
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- 柳瀬 隆志氏 嘉穂無線ホールディングス株式会社 代表取締役社長 株式会社グッデイ 代表取締役社長 株式会社カホエンタープライズ 代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
福岡県を中心に北部九州・山口で64店舗を展開するホームセンターのグッデイを中核事業として、可視化されたデータ分析による店舗運営、経営の実現で、売上を5年で26%もUP。2022日本DX大賞を受賞した「データドリブン経営」を推進する嘉穂無線ホールディングス株式会社 代表取締役社長 柳瀬隆志氏に3回にわたってお話をうかがってみました。
「社長の息子」というだけで社長になることは心配だった。(Vol.1)
データ可視化の環境と活用できる人材育成で「データドリブンな経営」を。(Vol.3)
価値観を明確にして、ぶれずに判断する。
自分の価値観をはっきりさせ、それを打ち出すことで、いろいろな場面場面で判断するときにも、最終的にはそこの軸に戻って、YESなのか、NOなのか、GOなのかそうじゃないのかを決めていくことにした。
「あとは、わたしはそういう人間だと周りの人にちゃんと知ってもらうことも大切です。どうしても抵抗というか、できない理由とかを言ってくる人がいても、自分の軸についてはこういうふうにやるんだ、自分はこういう人間だからと先に示しておくことで、諦めてくれるというか、理解してもらいやすくはなりましたね。そこがぶれてしまうと、なかなかついていきにくくなったりするのかなと思いますね。
父が67歳で体調を一度崩したのをきっかけに、あたためていた承継プログラムを実行しなければいけなくなり、そこから2年経過した2016年、わたしが40歳になったときに事業を承継しました。」
他社の跡継ぎ経営者の話と比較しても、非常にスムーズに承継できた例だと銀行にも言われた。
「社長になってから困ったなということは、あまりないかもしれません。社長になる前年の2015年ぐらいからDX的な取り組みは始めていて、データを活用すると会社が良くなるだろうというのも感覚としてありました。自分の好きなことでもあり、社長として新しいこととして取り組むことに矛盾がなく、すっきりしていました。もともと実務的なところは、父が社長のときも全部自分でやっていましたので、そこで困ったこともありませんでした。
振り返れば、自分が経営者になったと自覚したのは、実際に社長になったこの時ではなく、入社してすぐ父と社長室で承継について話した日だったのかもしれません。自分の会社の存続が自分の肩にかかっているんだなというのを、そのときにすごく実感しましたね。」
数字を見れば、全てが見えてくる。
「物産での経験は、すごく役に立っています。商社では現物を全然見ないで、会計や売買のデータの数字を見て仕事...
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