2023/04/04
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私が経営者になった日
第113回
【嘉穂無線ホールディングス株式会社 柳瀬 隆志氏】ぶれない自分軸を再確認して経営に生かす。(Vol.2)
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- 経営者インタビュー
- 柳瀬 隆志氏 嘉穂無線ホールディングス株式会社 代表取締役社長 株式会社グッデイ 代表取締役社長 株式会社カホエンタープライズ 代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
福岡県を中心に北部九州・山口で64店舗を展開するホームセンターのグッデイを中核事業として、可視化されたデータ分析による店舗運営、経営の実現で、売上を5年で26%もUP。2022日本DX大賞を受賞した「データドリブン経営」を推進する嘉穂無線ホールディングス株式会社 代表取締役社長 柳瀬隆志氏に3回にわたってお話をうかがってみました。
「社長の息子」というだけで社長になることは心配だった。(Vol.1)
ぶれない自分軸を再確認して経営に生かす。(Vol.2)
データ可視化の環境と活用できる人材育成で「データドリブンな経営」を。(Vol.3)
入社初日にいきなり承継の話だった。
商社から実家に戻り、最初に父から受けた話は意外なものだったという。
「いきなり、どうやって会社を承継するかという話だったんです。いまのところ、こういうスキームで考えているけれど、まだこういうところが詰まってないんだよねと。創業者あるあるだと思うんですけども、祖父は自分が死ぬことを全然考えてもいなくて、ほとんど相続対策をしないまま亡くなってしまい、父が継ぐときに大変だったのです。その経験を、自分の子どもにはさせたくないとずっと考えて計画していたんだなと、入社して初めて気付きました。」
どうやったらスムーズに引き継げるのか。相続対策はどうするのかなどということをずっと話されて、会社の状況もまだよく分からない中、父から受け取らなければいけないものの重みを感じ、覚悟が決まった。
「同時にわたしが思ったのは、やっぱりうちの父はちょっと変わっているなと。会社の仕事の話もほとんどしてこなかったのに、初日にいきなり承継の本題から来るなみたいな感じでしたから。」
一方で、父は柳瀬氏に何をさせるのかについては特に考えていなかった。
「商品の名前も、お客さんの動きも、どんなオペレーションをされているのかも分からないので、まずは現場経験がしたいと、1年間グッデイの店舗で働くことにしました。その中で社内の雰囲気や、考え方とかを知ろうと思いました。」
真面目ないい人たちだが組織ではない。
店舗で最初に柳瀬氏が感じたのは、グッデイの社員は真面目ないい人が多く、仕事に真摯に向き合って、商品知識もすごく豊富だということだった。
「社員だけでなくパート社員さんも、商品知識が広くて深くて頼りになる。全員が、一家に1人いたら、生活が快適になるだろうなというのを感じましたし、それはすごくいい文化だなと思いました。」
社長の息子が現場に来たからといって、特に態度を変える人もいなかった。
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