2023/03/17
1/1ページ
イマ、ココ、注目社長!
第320回
省人化のカギを握る画像解析技術。法改正で生活に浸透。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 久田 康弘氏 株式会社ELEMENTS 代表取締役
2022年末、東証グロース市場に上場したELEMENTS(エレメンツ)は、事業の一つとしてオンラインによる本人確認サービスを手掛けています。創業からおよそ9年で上場に導いたのは、代表取締役の久田康弘さん。
もともとは指紋による生体認証サービスで起業しましたが、ある出来事をきっかけに生体認証技術や画像解析技術を用いたオンラインの本人確認サービスにピボットしました。
すでにさまざまな生活シーンで導入されているeKYC(electronic Know Your Customer)技術は今後、どのように活用されていくのでしょうか?久田さんに尋ねました。
(聞き手/川内 イオ)
生活に浸透する画像解析技術
――2019年にリリースされた本人確認サービス「LIQUID eKYC」は、金融機関や通信キャリア以外にどのようなビジネスシーンで使われているのでしょう?
久田 「eKYC」というと口座の開設をイメージすることが多いと思います。それ以外にも、クレジットカードの申し込みや中古品の買い取りサービス、マッチングアプリの利用、公営競技のインターネット投票サービスなど本人確認が必要な幅広いサービスで利用されています。
いまでもアカウントをつくる時に対面や郵送手続きをしているところがありますが、基本的にはすべて省人化できると思っています。
――すでにかなり生活シーンに浸透しているんですね。アカウントをつくる以外の使い道もあるんですか?
久田 はい。2023年1月に「デジタル技術を活用した酒類・たばこ年齢確認ガイドライン」が認められました。それまでは、酒類、たばこの購入の際にはセルフレジが使えなかったのですが、「LIQUID eKYC」を活用し事前にスマホで年齢確認することで、セルフレジで酒類とたばこを購入できる仕組みを提供しています。
いまは子どもがスイミングスクールに入会する時にも本人確認をしますが、そういった「入会」に関する本人確認もデジタル化できます。
――なるほど。生活のなかで「eKYC」に置き換えられることがまだまだありそうですね。
久田 そうですね。「画像解析」という視点で見ると、いま置き換わっているのはポテンシャルの5%ぐらいでしょう。近いうちに実現する可能性があるのは、ガソリンスタンドの省人化です。セルフのガソリンスタンドって、実は建屋にいる人が許可しないと給油が始まらないんですよ。だから、「セルフ」なのに営業時間中ずっとスタッフが張り付いているんです。人が監視し続けることの...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。