2023/03/08
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イマ、ココ、注目社長!
第317回
元楽天社員が掘り起こした「家電レンタル」という宝の山。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 三輪 謙二朗氏 レンティオ株式会社 代表取締役社長
家電を中心におよそ3,200種類、17万を超える点数の商品のレンタル事業を手掛けるレンティオ。2015年4月に創業したのは、三輪謙二朗さんです。
50個のカメラのレンタルでスタートした事業は急成長を遂げ、現在の月間利用者数は11万人以上。しかし、創業前に話を聞いた家電メーカーの社員は全員「レンタルは流行らない」と否定しました。類似のサービスもない状態で起業し、まさに埋もれていたニーズを掘り起こした三輪さん。その背景に迫ります。
(聞き手/川内 イオ)
アルバイト先で知った商売の面白さ
――2015年の起業時、日本にはまだカメラや家電などをインターネットでレンタルするという文化がほぼなかったと思います。それが現在、月間利用者数11万人超。まさに眠っていたニーズを掘り起こしたと思うのですが、そもそもいつ頃から家電に興味を持ったのでしょうか?
三輪 大学生の頃ですね。僕はもともと歴史が好きで、歴史の先生になろうと思って明治大学の文学部史学地理学科に入ったんです。でも地味な作業が多くてこれを仕事にするのは難しいなと思っていた大学3年生の頃、たまたま最寄り駅の近くにある安売り家電の会社がアルバイトを募集していました。そこはECも手掛けていて、なんとなく面白そうと思って働き始めたんです。それが2005年ですね。
――そのお店で家電に出会ったんですね。
三輪 はい。その会社は楽天市場に出店していて、例えば、当時ソニーが出していたPSX(ハードディスク搭載DVDレコーダー)という商品のリモコンを1,000円で仕入れて、3,000円で販売していたのですが、1週間に何十個も売れるんですよ。なんでこんなに売れるのかと思って検索してみたら、そのリモコンをオンラインで売っているのがそのお店しかなくて、価格競争も起きない。そのリモコンのようなニッチなものがECでよく売れるところを目の当たりにして、商売やECって面白いなと。
――大学卒業後、楽天に入社されていますが、このアルバイトの経験が大きかったんですか?
三輪 そうですね。働いていた会社が楽天市場でかなり売り上げていたので、僕が働き始めた年に、カンファレンスで表彰されたんです。僕もそのカンファレンスに出席させてもらったんですけど、三木谷さんがいたので、「楽天に行きたいんですけど、どうしたらいいですか?」と話しかけたら、秘書の方から連絡をもらいまして。秋から始まる採用試験を受けたら、とんとん拍子に進んで入社が決まりました。真相はわかりませんが多少、優遇してくれたのかもしれません(...
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