TOP 成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」 6割以上の欧米企業が実践する最先端の営業組織強化・人材育成の仕組み/『トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント』

2023/03/15

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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」

第171回

6割以上の欧米企業が実践する最先端の営業組織強化・人材育成の仕組み/『トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント』

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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」では、成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。


今回は、『トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント』。本書の編集を手掛けられた、翔泳社の大久保遥氏に見どころを伺いました。

トップセールスに依存した体制から脱却する仕組み

皆様の会社にも、毎年コンスタントに営業目標を大幅に達成して営業全体の売上を引き上げているトップセールスがいるのではないでしょうか。しかしこのトップセールスに依存した体制は、健全な状況とは言えません。そのトップセールスが退職したり異動したりすれば、その売上はたちまち落ちてしまうからです。 多くの賢明なリーダーはこの問題に気がついており、何とかトップセールスと他のメンバーのスキルや成果の差を埋め、組織的に売上を上げられるような体制にしようとしているはずです。

 

この問題を解決する手法として注目を集めているのが、6割以上の欧米企業が実践する最先端の営業組織強化・人材育成の仕組みである、セールス・イネーブルメント(Sales Enablement)です。日本でもNTTコミュニケーションズやSmartHR、CCCMKホールディングス、凸版印刷など、この仕組みを取り入れる企業が増加しています。セールス・イネーブルメントは、組織・制度設計、トレーニング施策の提供やコーチングなどの要素を効果的に組み合わせ、テクノロジーを活用しながら営業の行動を変えて継続的に成果を創出し続ける仕組みです。成果目標から営業に必要な行動や習得すべきスキル・知識を逆算して育成プログラムを作成し、効果を検証します。このように「成果起点の人材育成」という特徴があります。

 

なぜ多くの企業で営業育成がうまくいかないのか?

皆が成果を出せる組織にするために、トレーニングの提供や適性を見た配置転換などの取り組みをしても、多くの企業で営業育成が上手くいかないのはなぜでしょうか。その理由を本書では、「一過性」「属人性」「有効性」の3つの観点で指摘しています。

 

・一過性:トレーニングは単発での提供となり、一度やって終わり
・属人性:営業マネジャーによる指導はその力量次第。メンバーの知識定着も本人の学び方次第
・有効性:提供されるトレーニングが営業成果につながる理由が不明確

 

端的に言えば、企業が学習コンテンツを提供するだけになっているということです。これではもともとスキルが高い方や自力で成長できる方だけを救う仕組みになってしまっています。

 

客観的に育成テーマを把握するためのアセスメント

本書で解説するセールス・イネーブルメントを実行できれば、トップセールスへの依存状態を解消できるだけではなく、営業が早く継続的に成長できる環境を作ることができます。組織体制から育成施策・プログラムの構築方法、現場への展開方法まで具体的な手法を解説しているため、すでにセールス・イネーブルメント職に就いている方をはじめ、組織のリーダーの方、 社員育成を担当する方々にも役立つ内容です。

 

そもそも自社の営業チームにどんな育成施策を行ったらよいのかわからない、という方も多いと思います。セールス・イネーブルメントでは、自社営業のあるべき姿を可視化...

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プロフィール

  • 大久保 遥氏

    大久保 遥氏

    翔泳社 書籍編集部第6課

    大学卒業後は編集プロダクションに入社し、主に料理や歴史などのムック本の編集を経験。その後ビジネス書・語学書を扱う出版社を経て、2017年より現職。翔泳社では「IT用語図鑑」シリーズ、「「ゆる副業」のはじめかた」シリーズの他、『インサイドセールス』『ど素人でもわかる経営学の本』など、ビジネス書・IT入門書の編集をしている。

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