2023/01/31
1/1ページ
プロ経営者の条件
第28回
銀行で世界最強のトレーダーを目指すものの、戦略コンサルタントに方向転換。基礎体力を徹底的に鍛えられた。(Vol.1)
- 経営者インタビュー
- プロ経営者の条件
- 経営
- キャリア
- 榊 淳氏 株式会社一休 代表取締役社長 ヤフー株式会社 執行役員 トラベル統括本部長
現役一流経営者の記事が読める!60秒で簡単メンバー登録はこちら >
経営のプロフェッショナルとして経営にあたるプロ経営者。過去のキャリアの中で養われた彼らの資質、思考、マネジメントスキルは、激変する現在の日本で多くの企業リーダーにとって貴重なヒントになる。プロ経営者のプロたるゆえんを、実際に活躍中のプロ経営者の話から解き明かしていく「プロ経営者の条件」。
今回は、宿泊予約事業、レストラン予約事業などを展開する株式会社一休の代表取締役社長を務める榊淳氏をゲストにお迎えした。榊氏は慶應大学大学院を修了後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行し、トレーディング業務に従事。その後、スタンフォード大学大学院でコンピュータ・サイエンスを学んだ後に、ボストン コンサルティング グループに入社。2009年にアリックスパートナーズに転じ、複数のターンアラウンド案件に携わる中で、一休と出会った。
ユーザーファーストの視点で、伸び悩んでいた一休の業績回復を果たすと、2013年にはアリックスパートナーズを辞して一休に入社。翌年には取締役副社長COOに就任。2016年2月に創業社長・森正文氏の退任に伴い代表取締役社長に就任した。そんな榊氏に3回にわたってお話を伺った。
(聞き手:井上和幸)
計量経済学を学びトレーディングの世界へ
井上 榊さんは、どんな学生時代を過ごされていましたか。
榊 大学は慶應義塾大学で、アイスホッケーに打ち込んでいました。楽しくてしょうがなかったですね。理工学部だったので、卒業後はほぼ半数の学生が大学院に行きます。それでわたしも卒業して大学院に進みました。まあ、そろそろ就職活動をしようかと思ったら、もう就職活動が終わっていたということもあるんですが(笑)。おかげでさらに2年間アイスホッケーを楽しめました。応用数学を専攻していましたが、比較的時間に余裕があったものですから。
井上 大学院を出られた後は、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行されました。
榊 大学院では計量経済学を研究していました。その関係で当時の第一勧業銀行に入行。トレーディングの部署に配属になりました。計量経済学はトレーディングにも関係する学問なので、即戦力のように思われますが、実際はそうでもなかったんですよ。それでも、入行後は投資の理論などを真面目に勉強して、なんとかトレーディングの第一線に参加することができました。
井上 実際にトレーディングの仕事をしてみてどう感じられましたか。
榊 数学的なモデルがお金に直結する仕事なので、面白かったですね。この世界を極めようと思いました...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。