2023/01/27
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戦略人事の仕掛人
第27回
社員が幸せに働くことが、企業価値の向上につながる仕組みをつくりたい。【後編】
- 組織
「何をするかより、誰とするか」を企業理念に掲げ、2年連続でGreat Place to Work® Institute Japan(GPTWジャパン)による「働きがいのある会社」に認定されたiYell株式会社。そこに、人事施策に取り組むCHRO・伊東拓真さんが果たしている役割は大きい。後編では、これからますます成長していくであろうiYellの将来に向けた、伊東さんのビジョンについて聞く。
(前編はこちら)
(聞き手/井上 和幸)
企業規模の拡大をにらんで人事施策を再構築する
井上 iYellはまだまだ大きくなっていく会社だと思いますが、これからはどんなことに取り組んでいく予定ですか?
伊東 僕が入ったときのiYellは、正社員が約60人、派遣やアルバイトを含めても100人ぐらいの組織でした。それがいまでは3倍超の約350人になっています。さらに、上場を目指しているところで、350人がさらに500人になっていく。そうすると人事施策もフェーズを変えざるを得ません。いまは経営理念を9つのテーマに分解し、おのおのの定義からバックキャスティングして施策を洗い直しているところです。
井上 変革期に来ているわけですね。そのために何を重視していますか?
伊東 究極は企業価値の向上です。そのために自分には何ができるか。いま、大きなテーマの1つと考えているのが、自分も含めたボードメンバーと社員全員のモメンタム醸成です。より働きやすい組織をつくり、働きやすい組織で社員が活躍し組織が企業価値を高め、高めた企業価値がさらに組織の働きがいに還元される。そんな好循環をつくろうと考えています。
井上 そのためにどうすればいいか、具体的なイメージはできているんですか?
伊東 大事なのはやはりマネジメントです。伝達の質を高めること、伝達の流れを設計することが重要だと考えています。トップのメッセージが最高の品質で組織の隅々まで伝わるようにしたい。伝達する人によって質が損なわれることがないように、例えばマテリアルを設計して渡してあげるとか。細かく丁寧に気を配り、入社間もないメンバーにまで経営のメッセージが正確に伝わるように努力することが、どんな施策よりも効果的だと考えています。
井上 土台がしっかりしていれば、その上を流れるコミュニケーションはきっと上手くいくでしょう。
伊東 会議体の設計にもこだわっています。その会議は情報共有の場なのか、ディスカッ...
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