TOP イマ、ココ、注目社長! 病院と製薬会社をつないで文書を電子化。世界中の患者のために医療現場の効率をあげ続ける

2023/01/25

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イマ、ココ、注目社長!

第307回

病院と製薬会社をつないで文書を電子化。世界中の患者のために医療現場の効率をあげ続ける

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治験・臨床研究の領域で、文書管理のクラウドサービス事業を展開しているアガサ株式会社。代表を務める鎌倉千恵美さんは、日本が元気だったバブル経済期に日本企業が次々と海外進出を果たしたあの“かっこよさ”が、自身の仕事観に大きく影響していると話します。
日本を明るく元気にしてくれて、グローバルに展開ができる、社会貢献度が大きい仕事。実現したいビジネスのヒントは、会社員時代に出会った医療業界における膨大な紙の山のなかにありました。

(聞き手/井上和幸

 

“女性が仕事で自己実現できる場”を求めて

――大学院を出て総務省に入省されます。まずは、この選択の理由・背景からお伺いできればと思います。

 

鎌倉 愛知県の田舎町で育ちましたが、保守的な土地柄で、女性が仕事を通じて自己実現をする、管理職や経営層になる、といったことがまずない。そこで、国家公務員になれば、男女関係なく思い切り仕事ができるのでは?と考えたのです。“女性の自己実現”にかかわる仕事にも、省庁なら政策面からかかわっていけると思いました。

 

――思い切り仕事をしたい。そのためには“起業”という気持ちもありましたか?

 

鎌倉 まだそこまでは。しっかり働いてキャリアを積み、いずれ管理職になれたらという気持ちでした。

 

――総合通信基盤局に配属になりましたが、これもひとつのご希望が叶ったかたちだったとか。

 

鎌倉 私が子どもの頃はまだバブルで、日本のものが海外でどんどん売れていく時代でした。トヨタやソニーといった会社が海外でも人気を得ている様子をみてカッコいいなと思っていたんです。ですから、日本を強くする、明るくする仕事もしたい、そういう意味ではグローバルな仕事もしたいと思っていました。総合通信基盤局では、通信に用いる周波数を海外と調整をする部門で、日本を代表するNTT、KDDIといった企業と一緒にグローバルな交渉を経験できました。

 

――若くして国を背負った仕事をされて夢も叶えられた。すると、なんでまた民間へ?ということになりますよね。

 

鎌倉 やりたい仕事ができるようになるまでに、かなりの時間がかかると感じたからです。省庁は枠組みがある世界なので、少なくとも課長くらい…20年ほど経たないとやりたいように仕事をするのは難しいんです。一方で、自分の手でサービスをエンドユーザーに届けて価値を出し、対価を得るという商業活動をしたいという気持ちも芽生えていました。

 

――日立製作所に移られた後は、新規事業の経験もずいぶ...

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プロフィール

  • 鎌倉 千恵美氏

    鎌倉 千恵美氏

    アガサ株式会社 代表取締役社長

    1974年、愛知県音羽町生まれ、東京都在住。 趣味はマラソン(フルマラソン公式記録:3時間51分) 24歳:総務省総合通信基盤局に入省。 27歳:株式会社日立製作所へ転職。 31歳:社費で米国ライス大学に留学し、MBAを取得。 日立に戻り、大量の紙書類で事務手続きに悩んでいる治験現場の現状を知る。 37歳:日立製作所を退職。直接掛け合い、NextDocs Corporationの日本支社代表就任。 41歳:米国の親会社買収に伴い、日本支社が閉鎖し解雇。そこから起業を決意し、3ヶ月後にアガサ設立。 43歳:製薬企業から初の契約を獲得。 医療機関だけでなく製薬企業にもAghata(アガサ)製品を選んでもらえると実感。 45歳:3社から4.2億円の資金調達を完了。 47歳:「EY Winning Women 2021」のファイナリストに選出。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000052277.html

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