2023/01/20
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イマ、ココ、注目社長!
第306回
副社長を辞して起業。広告媒体検索サイトで広告業界をDXする。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 石井 俊之氏 株式会社ビズパ 代表取締役CEO
ネットベンチャーで上場を経験し、副社長に就いていた石井俊之さんは、その立場を手放して2018年に起業。中小企業・スタートアップ向け広告媒体の比較・検索サイト「BIZPA」の正式版運用を2020年から開始しました。
企業や団体がメディアに広告を出そうと思えば広告代理店に連絡するしかないという昔ながらの仕組みを変えるべく、現在、「BIZPA」には約2万の広告メディアが掲載されています。広告を出したい地域やメディアも選べる新サービスを展開する石井さんの想いとは?
(前編はこちら)
(聞き手/川内 イオ)
広告業界に興味を持った意外なきかっけ
――2018年、43歳の時にラクーンの副社長を辞めて起業し、2019年11月には中小企業・スタートアップ向け広告媒体の比較・検索サイト「BIZPA」β版をローンチしています。それまでほとんどつながりがなかった広告業界に興味を持ったのはなぜでしょう?
石井 テレビで、船橋市立船橋高校のサッカー部(全国レベルの強豪校)がユニフォームにスポンサーの広告を入れたというニュースを見たんです。なぜかというと、全国に遠征に行く費用が選手の親の大きな負担になっていて、その遠征費の負担を軽減するためにスポンサーを募ることで、経済的に余裕がない家庭の子も市船でサッカーができるようになるという話でした。広告は営利目的じゃなくて、社会貢献にもつながることを知って、広告について調べ始めました。
――その時に、現在の事業につながる気づきを得たんですか?
石井 はい。最初は、市船のユニフォームのようにこれまで広告価値がないとされてきたものに対して新しい価値を見出してビジネスにしようと思っていました。でも途中で、「その前に広告自体をDXしなきゃ」と感じ始めました。調べれば調べるほどアナログな世界だったし、お客さんのニーズに合う商品が売られてない。
ラクーン時代にも経験がありますが、広告代理店を通すと代理店都合のセレクションのなかから選択することになって、割高だし不便だと感じていました。もっと効率化して、適正価格でお客さんが自分に合ったものを選ぶマーケットになるべきだと思ったんです。
広告代理店とはかぶらないマーケット
――既存の広告代理店の事業とバッティングする部分もあると思いますが、どこに勝機を見出したんでしょうか?
石井 一般的な広告代理店の場合、大企業ならいいパートナーシップが得られると思いますけど、中小企業に関しては適正な広告の流通ができていないというのが僕の認識です。そもそも中小企業が広告代理店に相談しにいっても断られる...
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