TOP イマ、ココ、注目社長! 副社長を辞して起業。広告媒体検索サイトで広告業界をDXする。【前編】

2023/01/18

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イマ、ココ、注目社長!

第305回

副社長を辞して起業。広告媒体検索サイトで広告業界をDXする。【前編】

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これまで、企業や団体がメディアに広告を出そうと思えば広告代理店に連絡するしかありませんでした。しかし、高額なフィーや複雑な料金体系は中小企業にとって高いハードルでした。
そこに目を付けたのが、株式会社ビズパの代表取締役CEO石井俊之さん。ネットベンチャーで上場を経験し、副社長に就いていましたが、その立場を手放して2018年に起業。中小企業・スタートアップ向け広告媒体の比較・検索サイト「BIZPA」の正式版運用を2020年から開始しました。その背景に迫ります。

(聞き手/川内 イオ

 

大企業を辞めたきっかけはテレビ番組

――石井さんは大和ハウスという大企業を辞めてネットベンチャーに転職し、東証マザーズと東証一部で上場を経験した後、40代で起業されています。とても目的意識が高いように感じられますが、学生時代からそうだったのですか?

 

石井 いえいえ。新卒で大和ハウスに入社したのは、なにか強い動機があったわけじゃありません。僕が就職した1998年当時は就職氷河期だったので、なにか武器が欲しいと思って在学中に宅建の資格を取りました。それで「不動産ならいいかな」くらいの気持ちで就職活動をしていました。正直に言うと、「仕事したくないけど、大学に入れてくれた親を安心させるためにとりあえず働くか」くらいの感覚でしたね。

 

――そうなんですね。大和ハウスではどんな仕事について、どんなことを感じていたんですか?

 

石井 営業に配属されて、浜松で住宅を売っていました。僕はいまも大和ハウスは素晴らしい会社だと思うし、その仕事も楽しくてやりがいを感じていたんですけど、入社してから1日、2日で自分の人生がぜんぶ見えた気がしたんですよね。就職した当時1万人ぐらいの社員がいて、1万分の1でしかない自分が会社にとって必要な人間だとは感じられなかったし、そうなるためには40歳ぐらいで課長になって、50歳ぐらいで部長になってというわかりやすいルートしか描けなかった。そのことに幻滅していました。

 

――大企業の若手社員にありがちな悩みだと思いますが、大半は安定を求め、折り合いをつけてそのまま在職し続けるでしょう。石井さんは2000年には、ベンチャーのラクーン(現ラクーンホールディングス)に社員一号として転職しています。思い切った決断の理由は?

 

石井 2000年の正月、千葉の実家でテレビを観ていたらサイバーエージェントの藤田さんが大川功さん(CSK創業者、セガ会長兼社長)と対談していたんですよ。僕はその頃、ベンチャーという言葉自体も知らなかったんで...

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プロフィール

  • 石井 俊之氏

    石井 俊之氏

    株式会社ビズパ 代表取締役CEO

    大学卒業後、大手住宅メーカーに営業職として入社。2000年株式会社ラクーン(現:ラクーンHD)に創業メンバーとして入社。2003年取締役、2010年取締役副社長として、執行部門を統括。BtoBマーケットプレイス事業、BtoB決済事業、子会社社長等を歴任し、2006年 マザーズ上場、2016年 東証一部上場まで導く。一部上場という会社としての節目を迎え、自分自身の将来を考え直したとき、起業がしたいと思い、2018年12月株式会社ビズパ設立。 2020年 東洋経済にて「すごいベンチャー100」に選出。

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