2023/01/13
1/1ページ
イマ、ココ、注目社長!
第303回
決め手は検知!不正アクセスから金融機関を守る縁の下の力持ち【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 島津 敦好氏 株式会社カウリス 代表取締役
不正ログインやアカウントの乗っ取りなどのネット犯罪が増加しています。2022年は、本人の購入ではない不正な決済が450億円を超える予想となっており、本人なのか、なりすましなのかの特定が必須な時代になっております。そんな犯罪から企業を守るのが、株式会社カウリスが提供するクラウド型不正アクセス検知サービス「FraudAlert(フロードアラート)」。インターネットバンキングなどの金融サービスを利用するユーザーについて、普段アクセスを行う利用環境から“本人らしさ”を判定。それに基づき、犯行グループからの不正ログインがあった場合に危険を知らせてくれます。
同社代表取締役の島津敦好氏は、京都大学卒業後に、さまざまな企業に勤務して幅広い経験を積み、2015年12月に株式会社カウリスを設立。自社のサービスを展開するだけでなく、企業のセキュリティ意識の向上など社会全体の発展を意識した活動を続けています。島津氏に過去のビジネス体験や、起業の経緯、カウリスの今後の展望などについて伺いました。
(前編はこちら)
(聞き手/井上和幸)
これからのキーワードは「根っこ」
――2015年12月にカウリスを設立されました。カウリスという社名はどうやって決めたのですか。
島津 我々はお客さまからも、悪い人からも見えない形でモニタリングをする、いわば縁の下の力持ち。そこから「根っこ」という意味の社名にしたいと考えました。でも、根っこという言葉の商標登録はとても多いんです。まだ商標登録されていない言葉はないかと思って調べたら、ラテン語の根っこが「カウリス」だとわかって、これを社名にしました。
ところが、これには後日談があって、3年後にある従業員が「カウリスって根っこじゃなくて茎ですよ」と言うんです。そんなはずないだろうと思ってまた調べたら、確かに根っこではなく茎でした。まあ、でもいいか。なりすましを検知する会社だから、なりすましの社名でもいいか、なんて言ってます(笑)。
――まさか勘違いでつけた社名だったとは(笑)。
島津 ただ根っこというのは、これからの重要なキーワードだと思っているんです。これからは、ホールディングスの社長だけが儲かったり、資産価値を持っている人だけが利益を吸い取るということではなく、大企業でも少額でベンチャーに出資して応援して行くというように、企業があちこちに根を張っていくことが増えると思います。また、社員も生活をしていく分は本業の会社で稼いで、そのほかにいろいろな副業にチャレンジして稼ぐようなことが当たり前になっ...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。