TOP スペシャルコラムドラッカー再論 連邦型組織はなぜ必要なのか?その主たる5つ理由。

2023/01/10

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スペシャルコラムドラッカー再論

第348回

連邦型組織はなぜ必要なのか?その主たる5つ理由。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

 

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ドラッカーは、連邦型組織が近代的な企業、特に大手企業にとって有力な構造原理として登場したのかについて、主たる理由が5つあると述べている。

 

(1)連邦型組織はビジョンと活動を成果に集中させる。
(2)そのため、昔ながらの安易な事業に力を入れる危険が少なくなる。利益の上がらない事業が、利益の上がっている事業や総売上・間接費の陰に隠れることができなくなる。
(3)目標管理が成果をあげられるようになる。各事業部門の経営管理者は、自らの仕事の状況について誰よりも知ることができるようになり、誰からも指摘される必要がなくなる。
(4)経営管理者の育成において絶大な力を発揮する。
(5)かなり低い階層にいたる者たちにまで、独立して指揮する能力があるかを評価することができる。

 

ドラッカーは、ある大手容器メーカーが連邦制を導入した効果について語る社長の発言を紹介している。

 

「連邦型組織を導入したのは、それが流行だったからで、理解していたわけでも信じていたわけでもなかった。ところがいざ導入してみると、そのおかげで事業がそれまでの倍以上の速さで成長し始めた。しかも売上と利益が最も伸びたのが、それまで常に最も問題のあった部門だった」
「そのうえ、間違った人間をトップマネジメントに入れることも避けられた。もう決して、独立した責任を与えて仕事ぶりをテストすることなしにトップマネジメントの人事を決めることはしないつもりだ。事業部長にした8人のうち、期待していた2人は失敗だった。期待していなかった3人が成功した。やり手はこの3人だけだった」

 

「連邦型組織とは、できるだけ多くの事業を独立した事業として組織しようとする原理である。しかしこの定義は、具体的には何を意味するか。そして、この原理が有効であるための条件は何か。さらにはこの原理の限界は何か。」(『現代の経営』、1954年)

 

連邦型組織のもとで独立した事業部の大きさは千差万別であり、事業部の活動範囲も千差万別だ。
その中で連邦型組織を成功させるには、守らなければならない条件がある。

 

単位組織は企業全体の利益に貢献するのではなく、企業全体に対し利益をもたらすべく貢献しなければならない。

 

「単位組織の損益は直接、企業全体の損益になる。単位組織の利益の総和が企業全体の利益である。しかも、それら単位組織の利益は、経理操作による利益ではなく、市場の客観的、かつ最終的な判定の結果による本当の利益である。」(『現代の経営』)

 

企業全体に利益をもたらすために、単位組織は自らの市場をもつ。市...

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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