TOP とことん観察マーケティング 「どんな誰は、何をしてあげると、なぜ幸せになるのか」は、永遠です。

2022/12/29

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とことん観察マーケティング

第80回

「どんな誰は、何をしてあげると、なぜ幸せになるのか」は、永遠です。

  • マーケティング

野林徳行です。「KEIEISHA TERRACE」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいております。

 

多くの企業では、『カスタマーを知る』ことが大事と言いながら、足元の数字を優先してしまいがちです。足元はもちろん大事ですが、カスタマーを知ることで既存事業のPDCAは回りやすくなり、新規事業の立ち上がりは早くなります。または修正が小さくなります。

 

80回目のコラムです。わたしは10年以上同じテーマでマーケティングの講演・研修を続けています。11月18日で58歳になりました。赤いちゃんちゃんこが目前です。マーケティングには時流があります。通常の講演は、新しいマーケティングツールなど内容を変えて伝えていくものだと思うのです。なので、わたしの場合、同じ内容で事例も古くなるので、そろそろやめようかと思うものの、毎回研修アンケートには、「いままでに一番腑に落ちた」「明日からの活力になった」「何が自分に足りないかわかった」などのコメントとともにご賞賛いただけるので、まだまだ役に立てるのか・・・と思います。それはなぜかを考えてみました。

 

どんな誰は、何をしてあげると、なぜ幸せになるのか

常にこの言葉を大事にしています。これがマーケティングの基本だからです。よく考えてみると、この言葉はマーケティングというよりも経営、つまり、この会社はなぜあるのか、みなさんの活動はなぜあるのか、ということになります。マーケティングというと、SNS活用術とか、データ分析方法とか、パッケージデザインのつくり方とか、バズらせるにはどうしたらいいか、とかが思いつきます。これは手法です。

 

実は、手法の前に、商品やサービス・作品が良くなければなりません。そして良い商品・サービス・作品をつくったら勝手に売れるかというとそんなことはないことも知ってもらわなければなりません。その良い商品・サービス・作品をつくることと、それをどう伝えるか それはつながっているのですが、ごっちゃになってしまっていることが多いようです。この前半の部分をわたしの講演・研修では教えています。つまりもともとの商品・サービス・作品は、ステキなストーリーで創られていますか?ということを問うものなのです。

いろいろな方々から呼んでいただけます

わたしの古巣の株式会社ローソンエンタテインメントに伺いました。同社はローソンチケットやローソントラベル、ユナイテッドシネマ、HMV、ローソンのLoppi物販セクションなどローソンのエンターテインメント部門の集合体です。コンテンツホルダーの方々から見れば販売パートナーではありますが、自社制作など取次でないことも模索します。いまのコンテンツ業界は役割分担というよりは、すべてのプレイヤーが総合エンターテインメントを目指しているような傾向があります。作品に出資をしたのでやらなければいけないことがあるのですが、やらなけれ...

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プロフィール

  • 野林 徳行氏

    野林 徳行氏

    有限会社オフィスフレンジー 代表

    1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1987年リクルート入社。経営企画、事業戦略、商品企画、プロモーションプランニングなどを担当し、カスタマーを知ることに徹底的にこだわった行動で各事業の業績向上に寄与。ブックオフコーポレーションへの出向を経て、2003年ローソン入社。執行役員としてマーケティング、エンタテイメント、商品開発を担当し、数々のヒット企画を生み出した。2010年ローソンエンターメディア代表取締役社長に就任。2012年レッグス入社。CMOとしてキャラクターを活用した販売促進を強化。2016年FiNC CMO就任。人工知能を活用したヘルスケアアプリのマーケティングを推進。現在は、有限会社オフィスフレンジー代表、高木学園理事兼英理女子学院高等学校マーケティング講師、NewsTV取締役、4DT取締役、ログノート監査役。さらに、ブックオフグループホールディングス、聡研プランニング、ニューネックス、助成金制度推進センター、メローネと多岐にわたる業種で顧問を務める。著書「とことん観察マーケティング」をベースにした講演・研修を実施中。

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