2022/12/14
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イマ、ココ、注目社長!
第298回
多くのプロフェッショナルを巻き込みながら「医師に愛されるプロダクトづくり」を貫きたい【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 五十嵐 北斗氏 株式会社 HOKUTO 代表取締役
医師向けの”臨床支援アプリHOKUTO”。リリース3年で日本国内の医師の5人に1人が登録するまでに急成長し、多くの医師に愛用されています。株式会社HOKUTOの五十嵐北斗代表取締役は、医師家庭で育つも医師を選択せず、起業を志し北海道から上京。”経営者として生きていく”と決め、試行錯誤でたどり着いたのが、一番身近な医療分野でした。前編では、失敗経験を通じて再起をはかり、五十嵐さんが経営者として絶対に譲れない軸を見つけるまでのストーリーをお話いただきました。
(聞き手/井上和幸)
「いますぐ会社をつくりなさい」の声に背中を押され…
――お父さまが医師でいらっしゃって、一時期までは五十嵐さんご自身も医師を目指していたそうですね。
五十嵐 親から「医者になれ」と言われたわけではなく、どちらかというと友だちやその親から「お医者さんになるんでしょ?」とよく聞かれていたことで、いつのまにか自分も「(医師に)なるのかな…」と。ただ、改めて進路を考えたときに、医師の忙しさや働き方に疑問を感じたんです。いま思えば、その時からずっと医療に対する漠然とした課題が脳裏にあったんだと思います。一方、母方の親族は経営者が多いのですが、医者よりも自由度が高くてこちらの方が性に合っているような気がしました。
――この特集にもご登場いただいていますが、チャットコマースで伸びているZeals(ジールス)CEOの清水正大さんがお友だちで、創業までの様子を近くでご覧になって刺激を受けられたと既存の記事で拝見しました。
五十嵐 はい。清水さんは、いまや日本を代表するIT企業の経営者になりつつありますが、彼は社会人を2年経験された後に浪人して大学に入学し、にもかかわらずまた1年ほどで中退して起業されるという…。当時から大変に熱量が高く、当時の僕にはその振り切り方は到底まねできるものではありませんでした。ただ、間近で見ていて非常に感化され、わたし自身が起業するモチベーションになったことは確かです。
あともうひとつ、実質的な起業のきっかけとなったのは、大学のゼミの教授の存在です。’76年生まれの教授は、ご自身が大学生だった頃にITベンチャーの第一世代がすごく伸びていて、同級生がインターネットビジネスにどんどん参入してステップアップしていった世代なんです。それを見ていたせいか、「将来は起業したいと考えている」と話したら、「インターンなんてやっていないでいますぐ会社をつくりなさい」と(笑)。
――また、アグレッシブな教授ですね(笑)。
五十嵐 何からはじ...
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