2022/12/15
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戦略人事の仕掛人
第23回
会社の価値が大きくなれば人も社会も元気になる。そこに貢献するのがCHROの役割【後編】
- 組織
2021年に創業したトラベルテックの気鋭・株式会社令和トラベル。そのCHROである田村博司さんを迎えての後編は、スタートアップ企業が創業期から人事責任者をおく意味と生み出す価値について考える。
とかく目先の事業、目先の採用に終始しがちなスタートアップでは、「専門部署をおくのは従業員が100人を超えてから」といった意見も聞かれるHRだが、その実際はどうなのだろう?
2社目の創業となるCEO篠塚孝哉氏の知見と田村さんが掲げる「あるべきHRの姿」がかけ合わされた同社の、ここまでの採用やメンバーの成長、そして近未来の同社の人材像について伺った。
(前編はこちら)
(聞き手/井上 和幸)
見つめるのはその人の“いま”と“未来の成長した姿”
13年に及ぶリクルートでの経験から、探し続けていた“Will”が「HRと経営の交差するところ」にあると気づいた田村さんは、まだプロダクトさえも存在していない当時の令和トラベルに、“ライフワークとして取り組む価値”を感じ、ジョイン。創業期からのHRトップとしてこれまで培った知見を投入しはじめる。
まず取り組んだのはやはり採用。「22.5億というコロナ禍の旅行会社としては破格の調達があってこそのチャレンジですが」と前置きしたうえで、目先で必要な人材を確保するだけではなく、「ここまで大きくするんだ」という未来の会社の姿を見据え「この規模感になったときにどんな人が必要なのだろう?」というところからも人材を獲得していったという。
創業して1年半の2022年10月時点で、令和トラベルのフルタイムメンバーは43名、インターンも含めると50名の所帯へと成長している。
田村 この、最初の30人、50人のフェイズのメンバーが、経営ボードと近い目線で“想い”を語れるようになることがとても大事だと考えています。
井上 「会社は大きくなっていく」という前提で、早いうちからいろいろなことを決めて行かれたのですね。
田村 はい。大きくなっていく“前提”というより、大きくなることをはっきりと“決めている”という感じです。ですから、制度も堅くなりすぎない範囲で早期からちゃんとつくろうとしていますし、“カルチャー”をどうするのかについても、代表含め経営陣みんなが重要事項ととらえているので、創業早々からミッション・ビジョン・バリューについても掲げています。
井上 MVVについては、やはり篠塚さんが中心となって経営メンバー...
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