2022/12/16
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経営者力診断リリース記念スペシャルトークライブ
第30回
【細谷功氏×井上和幸】抽象と具体を使い分け、アナロジー思考を身に付けよ
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2022年9月22日(木)、スペシャルトークライブ「なぜか好かれる、心をつかむ幹部の法則!」が開催されました。経営者JPの「経営者力診断」リリース記念イベントの第9弾です。
ゲストは、大ベストセラー&ロングセラー『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社)の著者で、ビジネスコンサルタントの細谷功氏です。新刊『ビジネス思考力を鍛える クイズで特訓50問』(日経文庫)は、これまでの細谷氏の著書のポイントを網羅し、クイズ形式で読者の思考を促す好著。今回のセミナーもクイズを交え、対談相手を務める井上と一緒に参加者を巻き込みながら、経営層に求められる思考力について議論しました。ライブの内容を編集し、前後編に分けてお届けします。
【前編】経営者は「正解のない問い」に説得力ある答えを出せ
【後編】抽象と具体を使い分け、アナロジー思考を身に付けよ
抽象度を高めると同じに見えてくる、具体化するほど違って見える
細谷 さきほどもお話ししたように、今日のキーワードのひとつは「具体と抽象」です。そもそも、物事を抽象化すること自体が、人の都合に合わせたポジショントークです。そのことを共有するために、ここで次のクイズです。
井上 考え方によって回答にかかる時間も変わるようですね。
細谷 (リアルタイムのチャットでの回答を見て)すべて違うと考えると19種類、一方で3種類という人もいますね。みなさんの答えは「すべて正解」です。
細谷 形で分けるか、大きさで分けるか、色で分けるか。ほかにもいろんな考え方があるでしょう。抽象化とはこういうことです。 物がたくさんあるとき、恣意的に特徴を取り出して分類する。ですから、抽象化の方法は何種類もあるんです。
井上 対象にもよるでしょうが、分類の切り口は数限りなくありそうですね。
細谷 人が何かを描写するときは、必ず「切り取り」が行われます。それは言葉というものの特性です。例えば、1人の男の子の姿を描写する際、性別を語るか年齢を語るか属性を語るか、あるいは身に付けているもの、行為、状況、背景など、さまざまな切り取り方があります。どこを切り取るかは、描写する人の関心や目的によるでしょう。我々が言葉を使っている以上、すべての描写は切り取りであり、正解も不正解もないわけです。そこで、次のクイズに行きましょう。
細谷 左と右の絵は同じか違うか。①は、100人いたら100人が違うと言うでしょうね。しかし、③あたりになると「犬も人も哺乳類だから魚と比べたら同じだ」と言う人が出てくるかもしれない。犬と猫ならどっちもペットだし、犬とオオカミなら同じイヌ科、⑥となればどちらも犬なので、同じと答える人がかなり増えそうです。⑧は同じに見えますが、これだって左か右かで違うかと言えば違います。
井上 そうか。
細谷 例え...
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