2022/12/13
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経営者力診断リリース記念スペシャルトークライブ
第29回
【細谷功氏×井上和幸】経営者は「正解のない問い」に説得力ある答えを出せ
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2022年9月22日(木)、スペシャルトークライブ「なぜか好かれる、心をつかむ幹部の法則!」が開催されました。経営者JPの「経営者力診断」リリース記念イベントの第9弾です。
ゲストは、大ベストセラー&ロングセラー『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社)の著者で、ビジネスコンサルタントの細谷功氏です。新刊『ビジネス思考力を鍛える クイズで特訓50問』(日経文庫)は、これまでの細谷氏の著書のポイントを網羅し、クイズ形式で読者の思考を促す好著。今回のセミナーもクイズを交え、対談相手を務める井上と一緒に参加者を巻き込みながら、経営層に求められる思考力について議論しました。ライブの内容を編集し、前後編に分けてお届けします。
【前編】経営者は「正解のない問い」に説得力ある答えを出せ
【後編】抽象と具体を使い分け、アナロジー思考を身に付けよ
経営者の「描く力(構想力)」には抽象思考が求められる
井上 経営者JPが開発した「経営者力診断」では、「経営者力」を「描く力(構想力)」「決める力(決断力)」「やり切る力(遂行力)」の必須3因子と、「まとめる力(リーダーシップ力)」と「学び続ける力(学習力・習慣化力)」のレバレッジ因子に特定しました。
とはいえ、トップマネジメントとミドルマネジメントでは、重視される力が異なることも判明しています。ミドルマネジメントでは「やり切る力」「まとめる力」が重要ですが、トップマネジメントになると「描く力」「決める力」に力点が移る。
今日はこの「描く」「決める」につながるお話を伺いたいと思います。まず、この点について、細谷さんはどうお考えですか?
細谷 今日お話しするキーワード「具体と抽象」に通じますね。トップマネジメントの「描く力(構想力)」には「抽象」が大事で、現場では「具体」が重要になります。新卒で会社に入って昇進を重ねていく人は、まず具体から入るので、具体が得意になる傾向があります。しかし、立場が上がれば抽象を求められるようになる。そこにチャレンジがあります。いっぽうで、起業家はまず構想から入るので、抽象が得意な人が多いでしょうね。
井上 「決める力(決断力)」についてはどうでしょう?
細谷 トップマネジメントの場合は、広い視野を持ち、多様な意見・利害関係を踏まえて決断することが重要です。これも今日のキーワードですが、経営の意思決定に「正解」はありません。ありませんが、ひとたび決断した以上は、それが唯一の正解だと思い込まなければならない。自ら正解と思い込み、人に説明できるだけの説得力が必要です。
井上 おっしゃる通りですね。
細谷 世の中のあらゆる事象には「正解がない」という前提で考えることが重要だと思います。もちろん、世の中には正解がある問題もあります。しかしそれは、人間社会のごく一...
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