2022/11/11
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イマ、ココ、注目社長!
第287回
データサイエンスで成果にコミット。マーケティングに変革を。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 平尾 喜昭氏 株式会社サイカ 代表取締役 CEO
株式会社サイカは、平尾喜昭氏が2012年に設立したデータサイエンスカンパニーです。インタビュー後編では、同社の最新プロダクトのほか、平尾さんが企業やメディア、クリエイターらと共に立ち上げたBMC(ボーダレスマーケティングコミュニティ)などについてうかがっています。平尾さんとサイカが思い描く、理想のマーケティング業界の姿とは……。
マーケターのニーズに応えたツールでデータ分析を民主化する
――サイカさんは、最初は統計分析コンサルティング業務から始められて、現在ではプロダクトを武器にしたコンサルティングで強みを発揮されています。御社がこれまでに開発してきたプロダクトについて解説いただけますか?
平尾 まず2013年にリリースした統計分析アプリ「adelie(アデリー)」は、データ分析を民主化するために開発したものです。きっかけは、僕たちがツールを使ってコンサルティングをする中で、「プロ向けの分析ツールは使いにくいな」と感じたことでした。これをどうにかしたいと思いました。
アデリーは、ある種、汎用的な分析ツールでしたので、金融業界や経営企画部門の方などデータを使いそうなところに片っ端からプレゼンしたのですが、蓋を開けてみたら、ユーザーはマーケターの方ばかりだったんです。
――なるほど。興味深いですね。
平尾 マーケターがアデリーで分析したがった理由は、何十億、何百億と広告費を使っているにもかかわらず、彼らはそれが売り上げにいくら跳ね返ってきたかわからないからです。調べてみると、そういった話が見えてきました。
であれば、マーケターのニーズに特化したサービスをつくったら、みんながハッピーになるのではないかと考え、2016年にオンオフ統合分析ツール「MAGELLAN(マゼラン)」が生まれました。マゼランでは、広告だけではなくマーケティングに関するあらゆる要因の売り上げへの影響を、ROI(投資利益率)という同一指標で可視化できます。最適な予算配分もシミュレーションもできます。
――マゼランが「マーケティングの全体最適化」とすれば、次のプロダクトはどのように進化したのでしょうか?
平尾 マゼランを販売したときに聞こえてきたのが、「データ分析をマーケティングに活用しても、その分析結果が実践に落ちない。」という声でした。さて、どうしようかと考え、最初は広告代理店さんと組むことを選んだのですが、代理店さんはマーケティングの透明性を上げることでお金を得ているわけではな...
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