2022/10/21
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イマ、ココ、注目社長!
第277回
個社だけではなくサプライチェーン全体の在庫効率を上げ、「いまより良い地球」を子どもたちに残したい。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 瀬川 直寛氏 フルカイテン株式会社 代表取締役
「世の中の在庫を効率よく回転させたら、経営が利益体質になり、幸せの好循環が生まれる」――。在庫を利益に変えるクラウド「FULL KAITEN」は、瀬川さんがそんな想いで立ち上げたビジネスです。
瀬川さんは2012年にEC事業を手がける会社(現フルカイテン株式会社)を創業。ギフト品販売で順調に売上を伸ばしていましたが、ベビー服ECに参入したことで大量の在庫を抱え、3度の倒産危機に陥ってしまいます。その倒産危機を乗り越えるための切り札になったのが、瀬川さん自身で開発した在庫分析システムでした(在庫回転率17回転超を達成)。
2018年、瀬川さんは在庫管理に悩む経営者のニーズに応えるべく、FULL KAITEN事業にピボット。以来、多くの企業の在庫を適正化し、利益体質へと変えています。これから先は、個社だけでなくサプライチェーン全体の在庫効率を上げることで、大量生産・大量廃棄から脱却したサステナブルな社会の実現に貢献していきたいという瀬川さんにお話を伺いました。
利益という定量的な成果を顧客に届けるから全員が幸せになる
――2018年にEC事業から、現在の事業にピボットされたわけですが、そのときに強く意識されていたこと、あるいは注力されていたことは何でしょうか。
瀬川 自分の人生の軸は、どんな仕事をしていようと、「人を笑顔にできる生き方をすること」です。だから、単に「このシステムを売ります。月々お金をいただきます」みたいなビジネスにはしたくないという思いがありました。
この在庫分析という分野で言うと、その価値を提供することによって、導入企業の利益がもっと増えるようになり、経営者が笑顔になる。経営者は増えた利益から従業員の給与を増やすなどしてみんなが幸せになるーー。こうした定量的な成果をお届けすることにこだわらないと、自分がこの仕事をする意味はないんです。
単なる業務の効率化などは、副次的なものにすぎません。利益が増えないと社長の皆さんも従業員の皆さんもハッピーにならない。そこにはこだわっています。
――そこにこだわってこられている中で、人・組織的な観点でいうと、どんな想いで体制をつくってこられたのですか。
瀬川 月並みですが、自分の会社の社員は幸せでなければいけないと思っています。昔、「自分の会社の社員が幸せではないとお客さんを幸せにできない」という言い方がありましたよね。若干、青くさいですが、それは一定の真実だろうと思います。
ただし、私自身はそうした思いに立脚しているわけではなく...
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