TOP プロ経営者の条件 複数企業の経営に参画。求められる金融専門家の視点。【前編】

2022/10/27

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プロ経営者の条件

第21回

複数企業の経営に参画。求められる金融専門家の視点。【前編】

  • 経営者インタビュー
  • プロ経営者の条件
  • 経営
  • キャリア
  • 山下 雅史氏 株式会社RIMM Japan 取締役会長 SDGインパクトジャパン 取締役 東京スター銀行 取締役

 

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経営のプロフェッショナルとして経営にあたるプロ経営者。過去のキャリアの中で養われた彼らの資質、思考、マネジメントスキルは、激変する現在の日本で多くの企業リーダーにとって貴重なヒントになる。プロ経営者のプロたるゆえんを、実際に活躍中のプロ経営者の話から解き明かしていく「プロ経営者の条件」。

 

日本長期信用銀行出身で、新生銀行時代にライフネット生命取締役、日本ウェルス銀行取締役会長を務め、ローソン銀行社長を経て現在は4社の経営に携わる山下雅史氏。新生銀行では、エクソンモービルやシティバンクで日本代表を務め、新生銀行の初代会長兼社長に就いたプロ経営者、八城政基さんのもとで経営について学んだそうです。前編では、長銀時代からローソン銀行社長に至るまでのキャリアを振り返っていただきました。

(聞き手:川内イオ)

長銀国有化を経て多様性のある職場環境に激変

川内  山下さんは1983年に日本長期信用銀行に入行し、国有化後は新生銀行の発足を主導されました。それからライフネット生命取締役、日本ウェルス銀行取締役会長、ローソン銀行社長を経て、現在はRIMM Japan取締役会長のほか3社で経営に携わっています。まずはキャリアの最初の一歩から振り返っていただけますか?

 

山下 わかりました。わたしは大学時代(東京大学法学部)、法律関係の仕事をしたいと思っていたんです。それで大学に6年在籍したんですが、司法の道は断念して就職活動を始めました。そのとき、「世の中の役に立ちたい」「いろいろな世界を見たい」と思って、日本長期信用銀行(以下、長銀)に入行しました。当時、長銀は長期的な視野で社会開発、産業の変革に取り組む銀行だったんです。

 

川内  入行後、激動の体験をされますね。

 

山下 そうですね。1997年に北海道拓殖銀行が破綻し、山一證券が廃業し、その流れのなかで1998年に長銀も国有化されました。わたしはその事務局のメンバーとして、国有化に関わることになりました。長銀は世界でも30番に入る大きな銀行だったのに、信用っていうのはあっという間になくなるものなのだと感じました。
入行して15年目ぐらいで、自分なりにやってきたつもりだったものが一気に否定されてしまった。銀行に入って世の中の役に立とうと思っていたのに、逆にご心配をかけることになってしまって本当に気持ちが重かったです。

 

川内  国有化後、アメリカの投資ファンドを中心とした投資組合に売却され、2000年に新生銀行として生まれ変わりました。山下さんにとっては、どういう変化でしたか?

 

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プロフィール

  • 山下 雅史氏

    山下 雅史氏

    株式会社RIMM Japan 取締役会長 SDGインパクトジャパン 取締役 東京スター銀行 取締役

    東京大学法学部卒業後、日本長期信用銀行に入社、以降金融業界で 39 年の経験、また、10 年 以上の銀行経営の経験をもつ。主に、企業戦略の策定に多く携わり、日本長期信用銀行の国有化 に際しては、金融当局や国内外の投資家との折衝を担当。新生銀行の発足を主導し、10 年以上に わたりビジネスモデルの変革と成長を実現。 日本初のオンライン生命保険であるライフネット生命では取締役として、香港における資産運用銀行 の日本ウェルス銀行では取締役会長として各社の設立に貢献。 2016 年から 2021 年までローソン銀行社長。銀行免許取得、人材採用、システム構築、ビジネスモデル の策定を主導し、事業を開始。ATM ビジネスモデルのデジタルへの変革等、新たなビジネスを多数 構築。現在は、SDGインパクトジャパン取締役、RIMM Japan取締役会長、東京スター銀行取締役、お金のデザイン取締役、エスジェイ・モバイルラボジャパン アドバイザーなどサステナビリティと金融に関係する事業に従事している。

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