2022/10/24
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イマ、ココ、注目社長!
第278回
テクノロジーが企業法務を変える。AIを使い契約書の課題を解決。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 角田 望氏 株式会社LegalForce 代表取締役CEO
事業活動に欠かせない契約書。しかし、ひと口に契約書といっても種類は多様で、契約書の審査業務にフォーカスすると、さまざまな課題があります。そんな契約書レビューの課題をAIを活用して解決するソフトウェアが「LegalForce」。リスク検知機能により、レビュー品質の担保 と業務効率化の両立を実現します。2019年4月の正式版のリリース以来、企業の法務部や法律事務所を中心に、導入社数は2500社を突破しています。(2022年9月末時点)
株式会社LegalForce代表取締役の角田望氏は、弁護士として大手法律事務所に入所。2017年に 同期だった小笠原氏 とともに独立。法律事務所の運営に携わる傍ら、ソフトウェアの開発・提供会社を立ち上げ、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」を開発しました。なぜ弁護士がテクノロジー企業を創業したのか。その理由とサービス誕生までの道のり、今後の展望などについてお話を伺いました。
(聞き手/井上和幸)
ITが法律の世界を変えると信じて大手法律事務所から独立
――角田さんのキャリアのスタートは弁護士でした。弁護士を目指すことになったきっかけは何だったのですか?
角田 「白い巨塔」という小説を読んだのがきっかけです。映画やドラマにもなりましたが、大学病院と医療事故の被害者をめぐる物語で、そこに登場する被害者側の弁護士がとにかくカッコよくて……。それを見て「自分の腕でクライアントの人生を背負って戦える弁護士の仕事って面白そうだな」と思いました。中学か高校のころでしたね。それで京都大学法学部に入って弁護士を目指し、旧司法試験に合格して、2012年に弁護士登録をしました。
――弁護士になって最初は大手の法律事務所に入られますね。そのときはどんなお気持ちで入られたのでしょう。
角田 森・濱田松本法律事務所に入所しました。主な仕事は企業法務。そこでは、怒られながらもいろいろなことを学んでいきました。いずれは自分で事務所を構えようかといった程度の気持ちはありましたが、起業しようなどという考えはまったくありませんでした。
――そうですよね、大手法律事務所に入所され、なかなか 独立以外の起業というのは思われないのではないかと思います。それが、そこから起業を考え始めるようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
角田 前職をやめる直接のきっかけは、2016年ごろに米国でAI弁護士が法律事務所に入所したというニュースに衝撃を受け 、これから大きな変化が起きるだろうと思ったことです。そういう中で、自分た...
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