2022/07/25
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日本全国注目社長!
第11回
野菜に関してはイノベーションがまだ、起きていない。
- 日本全国注目社長!
- ベジタブルテック株式会社 共同創業者CEO 岩崎 真宏氏
ベジタブルテック株式会社の代表取締役の岩崎真宏氏は、管理栄養士、臨床検査技師として勤務していました。北京五輪銀メダリストである朝原宣治氏や医師、管理栄養士とともに2016年、一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立。そして、2015年に設立したOmoi Foods株式会社を、栄養学とテクノロジーによるヘルスケア・フードテックに進化させるため2021年、ベジタブルテック株式会社に変更。
野菜を食べて健康なひとが増えることで農業が活性化する「ヘルスケア・農業の循環型事業」に取り組んでいます。岩崎氏が取り組んでいる事業がユニークなのは、野菜全てをパウダーにするということ。パウダーにすることで、栄養価の高い野菜を気軽に取ることができます。また。他にもさまざまな活用が可能になるといいます。岩崎氏に起業するまでの経歴や事業内容などを語っていただきました。
(聞き手/井上 和幸)
研究を続けながら臨床の現場で栄養について学ぶ
私は、私以外の人が健康でなければ、私の幸せはないと考えています。そのことから人を健康にする仕事をしたいと思いました。そこに「栄養」という言葉を知り、栄養学の道へ進みました。
「栄養士」と聞くと、「学校給食の調理の人」というイメージを持たれる方が多くいました。しかし、私がやりたかったのは、栄養で人の身体を整えていくこと。病気になる前に、食べ物で健康にすることでした。
栄養学を学び資格を取った後、栄養学の修士課程に進み、栄養が本当に身体に効果があるものなのかを科学的に学ぶことにしました。その後、栄養を身体に活用するためには、医学との連携が必要と考え、医学部の医学博士課程で学び、28歳で博士号を取得しました。
研究の世界で栄養に起こっていることを、生活のなかで人の身体に落とし込んだとき、本当に効果があるのかを検証するためには臨床の現場にも出なければならないと考え、研究機関に所属し、研究を続けながらも、病院に出勤し、治療と臨床を行うという、二足のわらじで活動していました。
しかし、本当にやりたかったことをやろうと思うと、大学の研究者ではできない。企業に就職しても時間がかかって難しいと考え、自分で起業することにしました。
アスリートやトレーナーに栄養学を学んでもらう
ベジタブルテックの前身であるOmoi Foodsを設立したのは2015年のことです。
当初、野菜を売ることを考えました。ところが、「野菜をとらなくてもサプリメントで代用できている」や「病気になったら治療すればいい」という考え方の人が多くいたので、それでは野菜の物販は難しいと思いました。
栄養学を知っていれば、「病気にならない身体を作るべき」と考え方...
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