2022/06/22
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イマ、ココ、注目社長!
第240回
アプリで世界中のクリエイターを応援。音楽の喜びを広めたい。
- 経営者インタビュー
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- 注目企業
- 文原 明臣氏 株式会社nana music 代表取締役 社長CEO
音楽で自分を表現したい。自分の歌をみんなに聞かせたい。そんな人たちの強い味方が音楽アプリ「nana」。スマートフォン一つで自分の歌声を世界中の人々と共有し、コラボレーションすることができます。2012年にiOS版をリリース。その後Android版も登場して、登録ユーザー数はすでに1000万人を突破。日本はもちろん世界中の人々に愛されています。
nanaを開発・運営する株式会社nana musicの代表取締役 社長CEOの文原明臣氏は、スティーヴィー・ワンダーに憧れて自ら歌を歌い、さらにモータースポーツの世界にチャレンジしてF1レーサーの夢を追いかけるなど異色の経歴を持ちます。その後、自身のアイデアを実現すべく2013年に起業。さまざまな困難を乗り越えて、nanaを世界中に広めるべく奮闘しています。これまでの歩みやnanaにかける思いなどについて、お話をうかがいました。
(聞き手/井上 和幸)
音楽、そしてレーサーを目指した青春時代
――文原さんは、昔から音楽に親しんできたとうかがいました。ご自身でも歌っていらっしゃったそうですね。
文原 音楽に興味を持ったのは両親の影響が大きかったですね。両親は神戸の田舎で喫茶店を経営しています。幼いころから周囲に音楽があったので、逆に最初はあまり興味を持てなかったんです。でも、中2のころに音楽を聴き始めて。最初に買ったCDはB’zでした。そこから歌に関心を持つようになって、いろんな音楽を聴くうちにR&Bやブルースと出会いました。特に好きだったのがスティーヴィー ・ワンダー。あんなふうに自由に歌えたら……。そんな思いで、ストリートなどで歌うようになりました。
――その一方でモータースポーツにも熱心に取り組まれていたそうですね。一時はレーサーの道を目指されたということですが。
文原 兄がF1が好きでアイルトン・セナのファンでした。僕もそれに影響されて一緒にF1を見るようになりました。応援したのはセナではなくライバルのナイジェル・マンセルでしたが(笑)。
本格的に車に興味を持ったのは19歳で免許を取ってから。車を運転するのがとても楽しかったんです。当時はF1で佐藤琢磨選手が活躍していて、いつか自分も世界に飛び出したいと思ってレーサーを目指しました。自分のやりたいことをやって来て、それを応援してくれた両親にはとても感謝しています。
新たな夢を実現するためにnana musicを設立
――その後、レーサーの道を断念して起業されます。そこに至るまでにはどんなことがあったのでしょう?
文原 2010年の夏にお金も底...
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