2022/06/03
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イマ、ココ、注目社長!
第236回
ファッションという業界を、えぐるように深く追求する。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 谷 正人氏 株式会社TOKYO BASE 代表取締役CEO
昨今アパレル業界は低迷していると言われていますが、そんななかでも着実に売り上げを伸ばしている株式会社TOKYO BASE。同社は、「日本発を世界へ」をコンセプトに、日本のブランド及び技術を駆使し、セレクトショップとオリジナルブランドを運営しています。
代表の谷正人氏は、新卒でデイトナインターナショナルに入社し、翌年には事業部長に就任、その約一年後には独立をするという大躍進を遂げています。学生時代から起業を考えていた谷氏ですが、どのような思いをもって現在まで至ったのかお聞きしました。
(聞き手/井上 和幸)
学生時代のアルバイト代はほとんど洋服に使っていた
――学生時代はアルバイト代のほとんどを洋服につぎ込んでいたとか。もともとアパレルに興味があったのですか?
谷 はい。僕が中学生くらいの頃から「裏原」というカルチャーが流行して、日本の若いデザイナーさんたちがブームを起こしていました。起業ではなく、ブランドを作ってお店を出している感じで、かっこいい服を作るその人たちに対して、人としての憧れがありましたね。あと、僕の地元の浜松は最低限の百貨店くらいしかなかったので、洋服に対して貪欲になっていました。雑誌で情報収集したり、部活が休みの日には電車で名古屋に行ったりしていました。
――僕も群馬育ちで、田舎者的な東京への憧れを中学高校と強く持っていましたので、貪欲になる気持ちが分かります(笑)。
起業をしたいと思ったのはいつごろでしょうか?
谷 きっかけはいくつかあるのですが、学生の頃は好きなことをしてお金持ちになりたいとざっくりと思っていました。大きなきっかけは、大学生の頃に起きた第2次ITバブルですね。サイバーエージェントの藤田さんをはじめとする起業家の活躍を見て、かっこいいなと思ったんです。それまで、「社長」というとハンコを押すだけの年配の人というイメージでしたが、若い起業家が世界を変えようとする姿を見て、自分も目指したいと考えるようになりました。起業をするのであれば上場を目標にしようとそのときも考えていましたね。仕組みなどは全く知らなかったですが(笑)。
――大学生の頃から起業という意識はあったんですね。とはいえ、新卒でデイトナインターナショナルに入社されています。
谷 僕は石橋を叩いて渡るタイプなんですよね。だから、成功したいというよりも失敗したくないという気持ちの方が大きかったんです。今もそういうところはあるかもしれないですね。まずは企業に入って知識や人脈を増やそうと思いました。
ファッションといっても、川上から川下ま...
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