2022/04/20
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イマ、ココ、注目社長!
第228回
100万人動員のバーチャルマーケット。目指すは「価値の再定義」。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 舟越 靖氏 株式会社HIKKY 代表取締役
2018年にスタートした「バーチャルマーケット」は、メタバース上の会場で開催されるVRイベント。昨年行われた第7回目となる「バーチャルマーケット2021」では、来場者数100万人超、出展企業約80社を記録しました。メタバースの市場が2024年におよそ8000億ドルに達すると予想されているなか、国内外から大きな注目を集めているのが、バーチャルマーケットを主催するベンチャー、HIKKYです。
HIKKYを率いるのは、舟越靖氏。起業家の家系に生まれ、NTTでの勤務を経て独立し、クリエイティブ事業に突き進むそのユニークな歩みについて語ってもらいました。
(聞き手/川内 イオ)
数千万円稼いでいた学生時代
――昨今、「メタバース」という言葉が急速に注目を集めています。メタバース上の会場で開催されるVRイベント「バーチャルマーケット」を2018年に立ち上げ、来場者が100万人を超すイベントに育て上げた舟越さんは日本の第一人者ですが、なぜ、いち早くそこに行きついたのか? その発想力や実行力の原点を知るために、人生を振り返っていければと思います。
舟越 わかりました。一点だけ、バーチャルマーケットは僕が、というより皆で育て上げてきたイベントですが。
――まず、どのような子ども時代を過ごしたのか、教えてください。
舟越 僕は渋谷で生まれて、世田谷で育ちました。家族、親せきは経営者ばかりという特殊な家柄で、母は家に人を呼ぶのが好きなので、経営者仲間や政治家など常にたくさんの大人が出入りしていました。物心ついたときから大人との触れ合いがあって、すごく刺激的で楽しかったですね。
―――幼少期から自然と、経営者としてのマインドが身につきそうな環境ですね。
舟越 そうですね。大人たちはよく麻雀をしながら、誰を雇うとかどの会社を買うとか、ビジネスの話をしていました。小学生のときに亡くなった祖父からの最後の言葉は、「借金してでも情報が集まるところにいろ」でした。そういう環境の中で育ったせいか、中学生になるとビジネスのまねごとを始めていました。当時はレンタルビデオが流行っていたのですが、年が離れた兄の部屋にビデオがたくさんあったので、友人に安く貸し出していたんです(笑)
――中学生! さすが、物心つく前から商売の英才教育を受けてきただけありますね。
舟越 大学生のころには、六本木でテナントを借りて花やゲーム機を売って、年間2、3000万円ほど稼いでいました。
――そ...
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