2022/04/25
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私が経営者になった日
第94回
【プレミアアンチエイジング 松浦清氏】「人生の寄り道」にはすべて意味がある (Vol.1)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- 松浦 清氏 プレミアアンチエイジング株式会社代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
2010年2月に発売を開始したDUO(デュオ)『ザ クレンジングバーム』は瞬く間に人気商品
となり日本最大のコスメ・美容クチコミサイトのその他クレンジング部門で10年連続NO.1を獲得。さらに売上シェアランキングにおいても2年連続NO.1*1、発売開始からシリーズ累計出荷個数3000万個突破*2という高評価が続き市場を牽引する商品となっています。
成熟産業と言われるレッドオーシャンの中にブルーオーシャンを見つけることで成長を続けてきたプレミアアンチエイジング株式会社代表取締役社長 松浦清氏に3回にわたってお話をうかがいました。
「人生万事塞翁が馬」のキャリアを歩む
外資系大手企業に勤務、MBA取得、外資系通販会社からのヘッドハンティング、そして3度の起業――。ビジネスパーソン数人分の経験を一手に引き受けたようなビジネス人生を送ってきた松浦氏は、これまでを振り返って次のように語る。
「自分のこれまでの歩みをいま振り返ってみて思うのは、いろいろな回り道、寄り道をしてきた人生だったということです。若気の至りで役者になろうとして渡米したり、ビジネススクールに通ったり、会社を3つも起業したりと、最終的には自分で事業を手がけることを念頭に置いていたとはいえ、一本道でなかったのは確かです。
ただ、回り道はしたのですが、その途上でさまざまなヒントを得ることができました。例えば、ひとつ目、ふたつ目の起業があったからこそ、ブランドビジネスとは何かということを深く理解できましたし、アメリカのテレビショッピング大手のQVCの日本法人で働くことで、デジタルマーケティングの可能性を感じ取ることができました。その過程では多くの失敗を経験しましたが、その失敗すらも今の事業の糧となっているというのが、率直な思いです」。
そんな松浦氏には大切にしている言葉があるという。
「中国の古典『淮南子』(えなんじ)収録の故事に由来する『人間万事塞翁が馬』という言葉があります。塞は砦のことで、砦近くに住んでいた老人の馬がある日逃げてしまった。周囲は気の毒がって老人を慰めていたのですが、ある日、その馬が駿馬を連れて帰ってきた。
通常であれば、大喜びするところですが、老人は『これなんぞ禍(わざわい)となるあたわざるや』と言ったそうです。そして、ほどなくして彼の息子が落馬して骨折してしまう。再び老人が『こ...
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