TOP イマ、ココ、注目社長! 22年前から「リモート」に着目。100%テレワーク企業の工夫とは。【後編】

2022/04/08

1/1ページ

イマ、ココ、注目社長!

第225回

22年前から「リモート」に着目。100%テレワーク企業の工夫とは。【後編】

  • 経営者インタビュー
  • 経営
  • 組織
  • 注目企業

 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

導入1500社超、ユーザー75万超と、リモートワークの普及に伴い急成長を遂げた、法人向けのリモートアクセスサービスCACHATTO(カチャット)。このサービスを開発したのが、e-Janネットワークスです。
2000年に同社を立ち上げたのは、代表取締役である坂本史郎さん。東レ出身のMBAホルダーで、日本ではようやくインターネットが根付き始めた頃から、リモートワークに着目してきました。
e-Janネットワークスでは現在テレワーク実施率100%で、社員のテレワーク継続希望率も100%。
長らく社員の働き方について試行錯誤してきたという坂本さんの歩みとともに、テレワーク導入企業の参考になりそうな同社の取り組みについて話を聞きました。

前編はこちら)

(聞き手/川内 イオ

 

自由な職場からの転換

―e-Janネットワークスは現在、100%リモートワークということですが、社員の「働き方」についても、ずいぶん試行錯誤されたそうですね。

 

坂本 はい。僕はあまり制約が好きじゃないんです。それで、起業した時は自分の価値観で自由に仕事をした方が創造性を発揮できるだろうと思って、なにもルールを決めないところから始めました。でも、実際には制約がないと生産効率が下がるという体験をして、このやり方はダメなんだとわかりました。それからある程度の仕組みを作ったことによって、自由な社風だからと集まった人たちはいなくなって、多少の制約を受け入れて頑張ってくれる人が残りました。

 

―具体的にはどんな制約を課したのですか?

 

坂本 まず、2004年から日報を書くように社員に依頼しています。その日になにをやったのか、明日はなにをやるのかを簡潔にまとめて、メールで全社員に送るというルールです。僕はそれを見ながら、誰がなにをやっているのかを把握して、朝のうちにその日にやってほしいことを文面で知らせるようにしました。この「朝メール」は、今も続いています。

 

―効果はありましたか?

 

坂本 そうですね。毎日誰かが見ているから裏切らないし、頑張るということだと思います。それから、僕がなにを考えているのかも発信するようにしました。トップがなにを望んでいるかって、社員はわかりませんよね。忖度も限界があるわけで、僕はこう考えているからこう動いてほしいという指示を毎日することで、社員もそう動いてくれるようになりました。

 

―社員ひとりひとりに目を配るマイクロマネジメントですね。

 

坂本 それでもだん...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 坂本 史郎氏

    坂本 史郎氏

    e-Janネットワークス株式会社 代表取締役

    1986年早稲田大学理工学部卒。東レ株式会社に入社後、バージニア大学ダーデン校でMBAを取得し、2000年に株式会社いい・ジャンネット設立。現社名のe-Janネットワークス株式会社の前身となった。リモートデスクトップサービスなど、テレワーク導入のためのSaaSビジネスを展開し、主力商品「CACHATTO(カチャット)」は1,500社75万人のユーザーを誇る。真の理想的な働き方と組織としての理想形を追い求め、10年以上前から、毎朝全社員の日報へのコメント記入を日課にしている。コロナ禍において激減したコミュニケーションを増やすために、グループ雑談やワーケーション制度の導入等様々な施策を取り入れ、組織作りに欠かせない「会話・対話の生まれる場」づくりにも積極的に取組んでいる。

    この登場者の記事一覧をみる