2022/04/04
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イマ、ココ、注目社長!
第223回
約1万5000店舗導入のClipLine。多店舗展開企業に共通の課題とは?【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 高橋 勇人氏 ClipLine株式会社 代表取締役社長
2014年10月にサービスをローンチして以来、牛丼チェーンの吉野家、百貨店の高島屋、中古車のガリバーなど幅広い業種で導入され、1万5000店舗以上、約42万人が使用しているClip Line。
名だたる大企業がこのサービスを利用する大きな理由は、新人教育コストや離職率の低下、売り上げアップなどわかりやすいメリットがあるからです。さらに今年の5月には、ClipLineと連動した新サービスのローンチも準備中。同社を率いる高橋勇人さんに、起業してから現在に至るまでの道のりを聞きました。
サービス開始時から3社・330店舗で導入
――オペレーションや情報・ノウハウを短尺動画(クリップ)にまとめ、従業員がスマホなどで確認でき、現場からも動画を送り返すことができるClipLineのビジネスモデルは、構想段階から経営者に支持されたということでした。経営者もそこに課題を感じていたのでしょうか?
高橋 はい。多店舗展開すると、同じ指示を出しても業績が良くなる店とそうじゃない店に分かれます。そのバラツキの原因を分析すると、大きな理由のひとつは「店のスタッフが店長経由でどれぐらい指示の内容を理解して行動できるか」の差なんです。その差を解消するために、これまでは「しっかり教育する」というのが店長の役割でしたが、そもそも店長がスタッフ全員を教育するのは難しいのです。
――店長ひとりのマネジメント力に頼るのはリスクがありますし、属人的なオペレーションですね。
高橋 はい。そこで、こう考えました。スポーツの世界と同じように、スタッフ自身がお手本を見てやる気になり、練習の上、自己フィードバックをかければ、スキルアップにつながるのではと。そのアイデアに共感してもらったのです。
――2014年10月にサービスをローンチされました。実際の反響はいかがでしたか?
高橋 2014年の夏から、興味を持ってもらった3社に無償で利用してもらいました。正式リリースの際、3社とも有償サービスに移行していただいたので、導入先が330店舗から始まりました。その後、すぐに吉野家さんと出会い、契約を決めていただきました。非常に恵まれた滑り出しだったと思いますね。
導入企業にもたらすメリット
――現在、飲食店だけでなく、デパート、薬局、コンビニなどで1万5000店舗以上に導入されています。どんな点が評価されているのでしょう?
高橋 新人教育に関しては、従来の4割ほどコストが下がると評価を得ています。もうひとつ大きなポイン...
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