TOP 戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから ここ一番の勝負に臨む大胆な自分を作り出す、「プレゼンス」の正体

2022/03/17

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戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから

第26回

ここ一番の勝負に臨む大胆な自分を作り出す、「プレゼンス」の正体

  • 組織
  • キャリア
  • 35CoCreation合同会社 CEO 桜庭 理奈氏

「自分には、こんな大きな仕事は最初から到底無理なんです。」

 

ある時、製造管理部門長の方が、私にそう言いました。その時の彼の様子を、今でも頭の中に思い起こすことができます。
背中は曲がり気味で、両肩は内側に入っており、目線も伏せがち、表情からは疲労感を読み取ることができ、口角が下がっていました。声に覇気がなく、自分の口から出る言葉すべてに自信を失っているように聞こえました。小さく何度か吐き出すため息の度に、文字通りその人のエネルギーや魂が抜けていくようでした。

 

皆さんは、そのような体験を自分自身がしたことはありませんか。また、他の人がそのような様子だったことを、目の当たりにしたことはあるでしょうか。
その様子からは、到底これから大胆なチャレンジに臨んでいくのとは程遠い状態の彼を目の前に、ひとつの問いが湧きました。「自分が今観察している彼の状態を、彼自身はどのくらい把握して、認知しているのだろうか。もし認知できたのであれば、何か対策は打てるのだろうか。」

 

無意識にしているその仕草!相手の信頼を知らず知らずのうちに失っているかも

外資系でマネジメント職に就いていた時に参加した研修で、「リーダーシップ・プレゼンス」の大切さについて初めて知りました。
リーダーシップ・プレゼンスとは、自分自身をリーダーとして周りから認知してもらい、周りに安心感と自信、エネルギーを与えるような、自分自身の存在感やあるべき姿を指します。裏付けられていた理論のひとつに、アメリカの心理学者である、アルバート・メラビアンが提唱する「メラビアンの法則」が紹介されました。

 

メラビアンは、聴覚から得られる情報と視覚から得られる情報、そして言葉そのものが持つ情報のうち、どれがどの程度、喋り手から聴き手に対して影響を与えるかを、実験しました。その結果、コミュニケーションには「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」の割合で影響しているという法則が導き出されました。
これによると、いかに話す内容に工夫を凝らして、時間を使い、良いものを作り上げても、聴き手・相手に与えるインパクトは、たったの7%ということです。実に38%がその内容やフレーズを、どのようなトーンやスピードや感情を乗せて話すかという、話し方に左右されるということです。さらに、55%が、喋り手の仕草や、表情、姿勢、視線、服装、髪型等の見た目が、聴き手・相手に与えるインパクトがあるということです。

 

例えば、「自分なら絶対にできる」という言葉を、背中を丸めて、下を向いて、視線も定まらない状態で、両手をモジモジさせながら、トーンのアップダウンもない状態で話せば、どのような印象を相手に与えるでしょうか。恐らく...

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プロフィール

  • 桜庭 理奈氏

    35CoCreation合同会社 CEO

    外資系金融企業での営業・企画推進を経て、人事へキャリアチェンジ。複数の外資系企業において、多国籍な職場環境で戦略的な人事を担当。2017 年より外資系医療機器メーカーであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社の人事本部長、2019年から同社執行役員を務めた。2020年に35 CoCreation合同会社を設立。多様な業態や成長ステージにある企業で人事部長不在の企業間で、シェアドCHROサービスを開発提供し、経営・組織・リーダーシップ開発コーチング、アドバイザリー活動を伴走型で支援している。国際コーチング連盟認定コーチ。New Field認定コーチ。ロバート・キーガン博士が設立したMinds at Work公認・ITC(変化への免疫システム)マップの認定ファシリテーター。国際PADIダイビング協会・ダイブマスターとしても活躍中。