TOP イマ、ココ、注目社長! 社会課題だけでは浸透しない。昆虫食のよい体験を広げていく。【後編】

2022/03/31

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イマ、ココ、注目社長!

第221回

社会課題だけでは浸透しない。昆虫食のよい体験を広げていく。【後編】

  • 経営者インタビュー
  • 経営
  • 組織
  • 注目企業
  • 株式会社グリラス 代表取締役CEO 兼 CTO 渡邉 崇人氏

 

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目指すは「昆虫食を当たり前にし、食のインフラを変えること」。
昆虫食の文化が残るエリアはあるものの、現代の日本人にとって“虫を食べる”という心理的ハードルは決して低くはありません。事業をグロースさせるためには、その障壁を取り除くことも大きな課題だったグリラス社
2030年にやってくるといわれるタンパク質危機から人類を救うために、あの手この手で取り組みを進める渡邉崇人代表取締役の奮闘と、氏がイメージしている5年後、10年後のビジネスの姿と“食”の世界とは? 飲食店を経営する両親の元で育まれたユニークな経営持論についても伺いました。

(前編はこちら

(聞き手/井上 和幸

 

博士課程の学生に「最悪雇ってやるから」と言えるうれしさ

――協業できる企業が現れず「ならば自分たちでやろう」となった当時、渡邉さんが描いていたビジネスの姿はどのようなものでしたか?

 

渡邉 まずはコオロギパウダーの生産をメインに事業を進めるなかで、「自分たちも生産したい」という人たちが増えてくるだろうと予測を立てていました。そうなった段階で、我々が構築したコオロギ生産のシステムやゲノム編集をして作ったコオロギの系統をワンセットにして供給する。そのライセンスがビジネスの中心になっていくという想定をしていました。現状、まったくそうなってはいませんが(笑)。

 

――そのとき、市場規模とか自社の中長期の売り上げなどはどのように考えていましたか?

 

渡邉 正直、ざっくりとした状態でした。サムだとかタムだとか考えるよりも、まずは手を動かすのが先だろうと。とはいえ、大学発のスタートアップとしてやっていくうえでは、IPOも重要なポイントで、「どのような状態になればIPOができるのか?」という感覚を持っているのは大切だと考え、大まかにですが、200、20、2という目安を持つことにしました。つまり、IPOをするには200億の時価総額、20億の売上げ、2億の純利益が最低限必要なんだろうと。

 

――資金調達をする際には、そのあたりのイメージを明らかにする必要も出てきますよね。

 

渡邉 そうですね。でも、我々が1回目の資金調達を実際におこなったのは、立ち上げて1年半ほどたってからのことでした。それまでは、すべて自己資金でやっていたので最初からしっかりと作り込む必要もなく、やりながら考えていったというところです。

 

――組織の規模や人材の採用の仕方はどのように変遷していきましたか?

 

渡邉 3名で立ち上げて、そのうちの1人である水戸先生(...

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プロフィール

  • 渡邉 崇人氏

    株式会社グリラス 代表取締役CEO 兼 CTO

    徳島大学大学院バイオイノベーション研究所・助教を兼務する。 研究者としては昆虫の発生・再生メカニズムを専門とし、コオロギの大規模生産、循環エコシステムの開発を行う。 徳島大学在学時にコオロギをモデル生物とした発生生物学の研究を開始し、半生をコオロギ研究と共に過ごす。 2016年よりコオロギの食用化を目的とした応用研究をスタートし、2019年にコオロギの持つ可能性を社会に実装し、食料問題の解決をすべくグリラスを設立する。