2022/03/18
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イマ、ココ、注目社長!
第217回
ビリギャルから起業家へ。いま求められる「購入する理由」。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 株式会社ICHIGO 代表取締役社長 近本 あゆみ氏
2015年の創業時は、「問屋にお菓子を売ってもらえない」状態だったICHIGO。それから、わずか6年で売り上げ40億円を突破しました。外国人は、同社が販売する「お菓子のサブスク」のなにに惹かれ、購入されているのでしょうか?
同社を率いる近本あゆみ氏は、2021年にスタートした日本の和菓子を集めて届けるサブスク「Sakuraco(サクラコ)」が大ヒットしたことで、その理由が「日本の文化の力」にあると実感しました。社員の7割を占める外国人や、SNSでつながる外国人のファンの考え方や価値観を大切にすることが、その急成長を後押ししています。
約50軒の問屋に取引を断られる
――2015年に「ICHIGO」を立ち上げ、日本の駄菓子やスナック菓子、ソフトドリンクなど約15個のアイテムを箱に詰め込んだボックス「TOKYO TREAT」を海外向けに毎月届けるサブスクを始めました。インドネシア人のパートナーとふたりで起業されたとか?
近本 彼は4か国語を話せる中国系インドネシア人で、友人でした。海外向けのECをやろうとしているのに、私はあまり英語が得意ではないので、起業前、「一緒にやってくれる人、いないかな」と相談したんですよ。そうしたら、「一緒にやろうか」という話になったんです。
というのも、彼は日本の大学を卒業しているのですが、大学院時代、アメリカに留学したときに日本食が恋しくなって、車で何十分もかけて日本食の居酒屋に通っていたそうで。「日本の食文化はクオリティが高いから、海外の人はお菓子も絶対に好きだと思う」と言っていました。
――それは素敵な出会いですね。当時は、どのような役割分担をされていたんですか?
近本 彼がエンジニアなのでサイトの設計をしてもらい、マーケティング、カスタマーサポートなど、外国人の感覚が必要なところも彼に任せました。私は会社設立や、商品の選定、メーカーとの交渉、買い付け、梱包、配送をしました。
――サイトを開いて、最初の注文が入ったのはいつでしたか?
近本 多分、2、3日してからですね。当時は自分の家で仕事をしていて、注文が入ったら壁に貼ってあるカレンダーにマルをつけていたんです。でも、ぜんぜん、注文がなくてマルがついたり、つかなかったりという日が1カ月ぐらい続いて、売り上げはないに等しいという感じでした。
――焦りは感じませんでしたか?
近本 特にありませんでした。別にこれがうまくいか...
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