2022/03/11
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イマ、ココ、注目社長!
第215回
アドフラウド対策の武器「Spider AF」で子どもたちの未来を守る。
- 経営者インタビュー
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- 株式会社Spider Labs 代表取締役社長CEO 大月 聡子氏
デジタル化の進展とともに、さまざまな不正行為が増えています。アドフラウド(広告詐欺)もその一つ。デジタル広告において表示回数やクリック回数などの成果を水増しする不正行為で、深刻な被害を生んでいます。
株式会社Spider Labsは、アドフラウド対策クロスプラットフォーム「Spider AF」を開発し、ネットワーク事業者や広告主に向けてサービスを提供。業界を問わず多くのビジネスの成長をサポートし、インターネット空間の健全化に貢献しています。
代表取締役社長CEOの大月聡子氏は、大学院で原子物理学を専攻していましたが、その後、ビジネスの世界に転身。仲間とともに起業し、WEBやスマートフォンなどのアプリケーションの受託開発を請け負ううちに、「Spider AF」を自社開発し主力サービスに成長させました。自社のグローバル展開も見据えて現在ポルトガルで勤務する大月氏に、これまでの歩みや現在のビジネスなど幅広く語っていただきました。
(聞き手/井上 和幸)
飲み会の席での友人のひと言が悔しくて仲間と起業
――大月さんは大学院で原子物理学を勉強していたということですが、学生時代は将来についてどんなことを考えていましたか。
大月 大学生のころは働きたくない、就職したくないと思っていたんです(笑)。物理学を専攻している学生は、大学院に行くのが当たり前のような感じでしたから。私も周りに流されるようにして大学院に進みました。
さすがに大学院に行くと、修了後は半数が就職して、半数が研究の道に残る感じでした。就職する人はコンサル系やメーカー系などが多かったですね。そういうなかで、私は積極的に就職したいわけでもなく、かといって研究を続けるほど優秀でもなく・・・何となく中途半端な感じでした。
――流れでもなかなか原子物理で大学院には行けませんが(笑)。そもそも原子物理を専攻する女性は少ないですよね。
大月 まだリケジョ(理系女子)という言葉もなかった時代でした。私は、なぜか昔から文系よりも理系の科目が比較的得意だったんです。特に物理はあまり勉強しなくても100点が取れたりして、得意だと勘違いしちゃったんでしょうね(笑)。成績がよくなると勉強するのが楽しくなるんですよ。それでどんどんそちらの方向に向かいました。理系は文系と違って答えがはっきり出る世界なので、そこが好きだったのかもしれません。
――それが一転してビジネスの世界に入られたのは、どんなきっかけからですか。
大月 卒業を控えた2011年ごろに、民主党政権の「事業仕分け」があったりして日...
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