2022/02/18
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イマ、ココ、注目社長!
第209回
真の豊かさを実現するカギは、付加価値労働生産性を高めること。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 中村 繁貴氏 株式会社テンダ 代表取締役社長
自動マニュアル作成ツール「Dojo(ドージョー)」をはじめ、AIやクラウドを活用したワークスタイル変革ソリューションを提供している株式会社テンダ。代表取締役社長に就任した直後の昨2021年に、JASDAQ上場を果たした中村繁貴氏の元、人と会社と社会が互いに影響し合いながら成長する“SHINKA(真価=進化×深化×心火)”経営を実践しています。
経営トップになって、まず最初に手がけたのがMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の変更だったという中村氏。いちエンジニアとして入社した当初から「経営を学びたい」と思っていた氏が、その志を抱いた経緯や、いま現在、会社の成長とともに実現していきたいという社会課題について伺いました。
(聞き手/井上和幸)
「現場で働くより、政治家か経営者を目指せ」人生を決めた恩師の言葉
――中村さんは新卒でテンダに入社され、転職することなく現在の代表取締役社長にまで進まれました。一部では、“リアル島耕作”なんて言われ方もしているようですが(笑)、「経営者になりたい」という気持ちは、当時からお持ちだったのですか?
中村 はい。ありました。
実は私は、就活時期にバックパッカーの旅でヨーロッパを回ったりして、新卒のタイミングで就職していないんです。大学での専攻が臨床心理学や高齢者福祉学だった関係もあり、鬱や孤独死の撲滅など、人に関わることで社会貢献したいという気持ちが強かった。
それで、学士受験をして医者を目指そうかなと思っていた時期もあったのですが、「いや、学生を続けるよりまずは社会に出て、自分で稼いでからそういうことは考えるべきでは?」と思い直し、第二新卒としてテンダに入社しました。
――ただ、そうした課題感を抱かれていた割には、テンダへの入社はエンジニアとしてでしたね。
中村 臨床心理学を専攻していて、気づいたらIT企業の社長になっていたというのは、かなり突飛に感じられますよね。
――はい。それはまた、どういった経緯で?
中村 大学時代の先生に自分の志を話したら、「そんなに思いが強いなら、政治家か経営者を目指せ」と。自分としては、医師とかソーシャルワーカーになって高齢者の役に立つ人間になりたかったのですが、「この国の福祉は遅れているから、政治や経営から変えていかないと本質的な課題は解決できない。末端の高齢者を救うのではなく、もっと大義を持て」と言われ、「ならば、まずは経営を学ばないと」と考えたんです。
確かに経営はヒト・モノ・カネ・情報などの資源を生かし、付加価値を創造することです...
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