2022/01/20
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CxOの羅針盤
第13回
声にならないニーズをどう拾い上げるかが重要な視点である。【前編】
- リーダーシップ
- マネジメント
- キャリア
- 組織
- 株式会社リチカ CMO 田岡 凌氏
田岡凌氏は京都大学を卒業後、新卒でネスレ日本に入社し、「ネスカフェ ドルチェグスト」や「ミロ」のブランドを担当。その後、WeWork Japanに転職し、ブランドマーケティング責任者として活躍されました。現在はリチカに参画されて、CMO(最高マーケティング責任者)という立場で事業を推進されています。一貫してマーケティングに関わってきたことから、外資系と日本企業、レガシーとスタートアップにおけるマーケティングの違いなどを伺いました。
(聞き手/井上和幸)
グローバルで規格化された方法論
井上 京都大学 経済学部を卒業後、ネスレ日本へ入社されています。就活ではどのような観点から仕事と就職先を選ばれたのでしょう?
田岡 関心があったのは、人の心を動かすコンテンツやコピーライティングでした。特にコピーライティングの領域に興味を持っていて、経済学部という専門性と、自分自身興味の高いコピーライティング、表現という軸で近しい仕事はないかと調べたところ、マーケティングという職を知りました。マーケティングには幅広い領域や考え方があるなか、外資系企業のグローバルスタンダードなマーケティングを学びたいと考えました。
当時、外資系企業のなかでマーケティング方面で働ける会社はいくつかありましたが、内定をいただいた一社がネスレ日本でした。ちょうど新卒でマーケティングに携わることができるチャンスをいただき、チャレンジをすることにしました。
井上 それはすごいですね。
田岡 もちろん、自分自身、単純にコーヒーが好きだったということもあります。この企業の商品のマーケティングに携われるなら、それはとても幸せなことだと思い入社しました。
井上 ネスレ日本は当時、日本社長の高岡浩三さんが、トップでありながらも天才マーケッターでした。1番望ましい場所に入られたと思います。
田岡 そうですね。高岡氏が社長になり、彼のマーケティングの考え方が、マーケティング部署はもちろん、組織全体に実装されていくのを目の当たりにしました。私もそのなかでマーケティングをインストールしてきた実感があります。
具体的に言うと、過去のデータリサーチも大事にしながらも顧客起点であるn1で、顧客の課題から徹底的に考えること。自分自身もn1として感じる課題を大切にする。また、リーンでさまざまなことを進めていく。その高岡氏の教えは、自分自身のマーケティングの向き合い方にも大きく影響していると感じています。
アジャイル、リーンでさまざまなプロジェクトを回すなか...
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