2022/01/10
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私が経営者になった日
第82回
【ブックオフホールディングス株式会社 堀内社長】30歳までに自分をいかに磨くかをずっと考えていた。(Vol.1)
- 経営
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- 経営者インタビュー
- 堀内 康隆氏 ブックオフグループホールディングス株式会社 代表取締役社長 ブックオフコーポレーション株式会社 代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
約70社のフランチャイズ加盟企業とともに、現在はグループ全体で現在国内外約800店舗を運営。本を核としたリユース業界のリーディングカンパニー、ブックオフグループホールディングス株式会社、ブックオフコーポレーション株式会社 代表取締役社長 堀内康隆氏に3回にわたってお話をうかがいました。
【vol.1】30歳までに自分をいかに磨くかをずっと考えていた。
内部生の巻き込み力に圧倒された。
堀内氏の父親は銀行員、転勤族だった。小2で札幌から東京に戻った。
「子どもですから、新しい環境にもすぐに馴染みました。同級生が塾のテストを受けるというので、僕も受けたいと言ったことがきっかけで、中学受験をすることになったんです。
当時の中学受験、自分でも驚くほど勉強していました。塾に行ってもどちらかというと、そこで友だちをわいわいつくるというよりは、黙々とやるべきことをやるみたいなタイプでした」
無事志望校に合格し、慶應義塾大学の付属中である慶應義塾普通部に入学。
「そこで驚いたのは、学力的な頭の良さとは全然違う内部進学生の持っているバイタリティーです。彼らの持つ巻き込み力というのがすごかったんですね。それに影響を受けて高校に進んでからは、今度は自分も内部進学者として、過去の自分と全然違う方向で、周囲を巻き込んで仲間を増やすメンタリティーを、3年間の中で相当に熟成していったと思います。だから、その中学での出会いというのは、自分にとって最初の大きな転機だったように思います。
その一方で、中学受験で勉強をやってきた自負というのもあって、やっぱり勉強はそれなりにちゃんとやらなきゃという意識で大学時代は過ごしました」
1つの会社に一生勤める気はなかった。
就職にあたっての父親からのアドバイスは“大企業の安泰な所もいいが、将来に向けては、何か手に職を付けた方が良い”ということだった。大学時代に会計士の勉強もしてみたが、何か合わなくて1年で辞めた。
「自分の中では、1つの会社で一生涯勤め上げる発想はもともとなく、30歳をひとつの区切りとして、いかに自分を磨くかみたいな観点でいました。いろんな会社で仕事ができるようにするために、自分がどこに勤めるべきか。そこで、3年で10年分の仕事をさせるとか、3年で10年分のスキルをつけるという言葉に惹かれ、コンサルティング会社を目指しました」
第一希望のコンサルティング会社には縁がなく、入社したのは会計系の中堅コンサルティング会社。入社すぐに外資系コンサルティング会社と合...
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